井上真央

女優の井上真央が『それいけ!アンパンマン りんごぼうやと みんなの願い』にゲスト出演し、声優に初挑戦した。井上は、昨年10月に亡くなった原作者・やなせたかし氏のドキュメンタリー番組でナレーションを務めた“縁”があり「人生で初めてヒーローだと認識した存在がアンパンマンで、大人になっても『アンパンマンのマーチ』に勇気づけられた。残念ながら生前お会いできませんでしたが、今も感謝を伝えたいという気持ち」という。

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やなせ氏が最後に手がけた原案作となる人気アニメシリーズ劇場版第26弾で、東日本大震災発生後に取り組んだ復興三部作のラストを飾る。世界中にリンゴを植えるために旅する、元気いっぱいの男の子・りんごぼうや(井上)が、大好きな故郷を守るため“魔法の種”を探す大冒険に出かける。

「声優は初めてなので、大好きな『アンパンマン』だけどうれしい反面、不安もありましたし、実際にマイクの前で、その難しさを実感しました」と井上。「りんごぼうやはアニメに初登場するキャラクターなので、どうしても『どんな声か』『どんな口調が合っているか』と探りながらになってしまって、迷いや不安の中でのアフレコでした。印象に残っているのは『もっと、しなしなしてほしい』『しなしなの中にも強さを』といわれた演出です。“りんご”ならではだなと思いました」と振り返る。

それでも、やなせ氏の最後のメッセージが詰まった台本に深く感銘を受け、りんごぼうやを演じきろうと決意。「自分を犠牲にしても、困った人を助けるアンパンマンの姿に、りんごぼうやは、本当のヒーローの姿を見つけるんです」(井上)。復興三部作として“復興”“希望”に続き、本作では“望郷”と“故郷の再建”がテーマに掲げられており「やなせ先生の思いを、未来へ受け継ぐお手伝いができれば光栄。子どもたちに故郷の大切さを伝えられたらうれしいです」と瞳を輝かせる。

ちなみに好きなキャラクターは、カレーパンマンだといい「みんな好きなのは、アンパンマンかしょくぱんまんのどちらかじゃないですか。だから子どもながらに、私が好きになってあげないと(笑)…と思っていました」(井上)

『それいけ!アンパンマン りんごぼうやと みんなの願い』
7月5日(土)全国公開

取材・文・写真:内田 涼