メイクをしないっていうのも、vistlipにとっては大事(智)

―― 5月からツアー『Good vibes CIRCUIT II』を回ってきたと思いますが、ツアーはいかがでしたか?

智 実は、『Good vibes CIRCUIT』というツアー自体が、バンドの中で特殊な位置づけなんですよ。去年(2013年)初めてやったツアーなんですけど、今年はその第2弾。

今後もできたら1年に1回はやっていきたい。そういう定番的な位置づけにしていけたらいいなぁって思ってます。コンセプトがない分、メンバーとファンの間のやり取りが楽しめる。バンド力も出るし、俺たちの人間性みたいなものもダイレクトに出たツアーだと思うんです。

あと、今回のツアーではフルメイク・ガッチリ衣装の日っていうのを作ってて。そういう日に限っては、世界観を出すチャンスだと思うので、そういうところではセットリストを変えていってました。

―― ふつう、ヴィジュアル系バンドのライブってフルメイク・ガッチリ衣装が通常だと思うんですね。ただ、vistlipの場合は衣装じゃなく私服でステージに出てきたり、さらにはメイクしなかったりする日もあるじゃないですか? そういうのは、みなさんにとっては普通のこと?

智 昔から、vistlipはインストアイベントとかでは一切メイクしないで出たりしてたんですけど……。それは何故かっていうと、ステージに立ってるときにこそ着飾るべきだっていうのが、メンバーみんなの共通認識としてあって。ステージ降りたらただの人間だって思ってるんで。そういう意味では、メイクをしないっていうのも、vistlipにとっては大事だったりします。

海 メイクしてないのと、ガッチリメイクしてるときとは、違う空気感になるじゃないですか? どちらの面も俺らにとっては必要だと思ってるので。前回の『Good vibes CIRCUIT』をやったときには、ぶっちゃけちょっと試験的にやってみたところもあったんですよ。でも、見に来てくれるお客さんたちの反応もすごく良くて。

智 俺たちのファンは、「メイクしてようがしていまいが好きだ」って伝えてくれるんですよ。見た目だけにとらわれないで、ヴィジュアル系だから好き、とかじゃなくて好きでいてくれる。それがわかってすごくうれしかった。

海 ライブでお客さんに直で聞いたんですよ。「智がメイクしてんのとメイクしてないの、どっちがいい?」って。そしたら、「どっちでもいい!」って(笑)。

智 世界観とか、雰囲気とか、メイクしてる日としてない日で使い分けられるのもすごく良い。狭い会場でメイクしないで、みんなと単純に汗だくになりながらいいライブするってのも、ロックバンドとしてのひとつの形だと思うし。良いとこ取りができる良いバンドだなぁ、って思います。どちらかひとつだけってのももったいないと思うし。