役所広司と小松菜奈

中島哲也監督が4年ぶりに放つ最新作『渇き。』の大ヒット御礼舞台あいさつが5日、東京・新宿バルト9で行われた。現在、ネットを中心に賛否両論が巻き起こっている本作。中島監督は「全員から『まあまあ』と言われるよりはマシですし、お客さんの自由な意見を真正面から受け止めるのが、監督の役目」と表明した。

大ヒット御礼舞台挨拶その他の写真

舞台あいさつには中島監督をはじめ、主演の役所広司、共演する小松菜奈、オダギリジョー、中谷美紀が登壇。役所も「(賛否あるのは)当然ですね。映画が個性的な証拠だし、健全な状態だと思う」と賛否両論を歓迎。本作で映画デビューを飾った小松は「まるで新しい衝撃。観終わった後は、あ然として席から立てなかった」と率直な感想を明かした。

“第3回このミステリーがすごい!大賞”を受賞した深町秋生のデビュー作『果てしなき渇き』を映画化。突然、失踪してしまった優等生の娘(小松)を、元刑事の藤島(役所)が捜索するうちに、自分だけが知らない娘の“素顔”に遭遇し、予想不可能な事態に巻き込まれていくバイオレンス・サスペンス。

中島監督と『嫌われ松子の一生』以来のタッグを組んだ中谷は、「この映画が皆さんの心に何かを残せれば。ぜひご遠慮なく意見をいただきたい」と余裕の表情。一方、中島組に初参加したオダギリは「賛否両論は結構なこと。僕自身は“賛”なので、“否”の人の気持ちは分かりませんが…、愛情に暴力をかぶせた作品なので、そのまま受け取ると、“否”に思えちゃうのかな」と分析。「ここ数年で、ダントツに面白い日本映画。これを観ないなんてもったいない!」と熱弁していた。

『渇き。』
公開中

取材・文・写真:内田 涼