<地域No.1店舗の売れる秘訣・ケーズデンキ小山店>競合に負けない大型店舗で再始動 「接客+豊富な品揃え」で固定客をつかむ

2014.7.8 11:9配信

5月29日、栃木県小山市のケーズデンキ小山店が移転し、リニューアルオープンした。売り場面積が約4900m2と、旧店舗のおよそ4倍の大型店舗に生まれ変わり、競合店に負けない広さになった。15年ほど前から小山市で家電を販売し、接客には定評があったが、商品を取り寄せないと固定客の要望を満たせないのが悩みの種だった。今後は、「接客+豊富な品揃え」で、固定客をがっちりつかむ。(取材・文/佐相彰彦)

ケーズデンキ小山店

店舗データ

住所 栃木県小山市雨ケ谷町12番地

移転オープン日 2014年5月29日

売り場面積 約4900m2

従業員数 35人(パート含む)

●駅前と国道50号にライバルあり 約4900m2の売り場面積で勝負

東北新幹線や在来線の宇都宮線・湘南新宿ライン・水戸線・両毛線などが停車するJR小山駅。1日の乗降客は4万人を超え、新幹線で東京まで43分と交通の便がいいことから、市内に支社・支店を置く企業は多い。家電量販店は、この小山駅から徒歩約5分の駅東通りに、約3600m2の売り場面積をもつヤマダ電機テックランド小山店が出店。ターミナル駅に近いだけでなく、クルマ利用が多い地域環境に合わせて駐車場を完備することから、平日には小山駅を利用する会社員が訪れ、休日には地元住民がクルマで来店する。ロードサイド店舗では、とくに国道50号沿いには大型店舗が建ち並び、ショッピングエリアになっている。ここには、コジマNEW小山店が出店。ヤマダ電機テックランド小山店と同様、売り場面積が3000m2級で豊富な品揃えを武器に固定客を確保している。

市内中央部の東城南の住宅地には、ケーズデンキ小山店が15年ほど前から店舗を構えていた。定評のある親切でていねいな接客で一定の顧客を確保していたが、売り場面積が約1200m2と小さく、品揃えに見劣りがすることから、買い物客がライバル店に流れることが多かった。そこでケーズデンキは、隣の雨ケ谷町の区画整理によって空いた土地に移転。5月29日にリニューアルオープンした。売り場面積は約4900m2と、旧店舗のおよそ4倍。周辺の競合店と比べても圧倒的な広さを誇る。リニューアル時に小山店に赴任した大高利之店長は、「旧店舗が、すぐれた接客で固定客を確保していたということがよくわかる。新店舗に来店するお客様のなかに、『広くなって買いやすくなったね』と評価してくださるお客様が多いからだ。今後は、品揃えで競合店と勝負する」と抱負を語る。

●ショッピングエリア外の立地を逆手に取る 「ナカシマ」から「ソトシマ」を提案

ケーズデンキ小山店が移転した雨ケ谷町は、ショッピングエリアの国道50号から2kmほど離れた場所。決して便利とはいえない立地だが、「国道50号は休日になると渋滞して、なかなか目的地にたどり着けない。当店は、ショッピングエリアではないことを逆手に取って、道路が空いていることを訴求してお客様を増やしていく」というのが、大高店長の戦略だ。また、向かい側にはスーパーのヨークベニマル小山雨ケ谷店があって、「食料品の買い物客がついでに寄ったり、その逆もあったりという相乗効果が生まれている」という。雨ケ谷町に来れば、生活必需品の買い物には困らないということを地域にアピールし、根づかせるという。

家電量販店として、生活必需品に困らない環境をつくるために、充実しているのは電池や電球、コピー用紙などの消耗品だ。店内の中央に什器を配置して商品を陳列する「ナカシマ」で、消耗品を販売している。大高店長は「実は、この『ナカシマ』での接客がポイントになる」という。というのも、消耗品については接客に力を入れる店舗が少ないからだ。「消耗品は、お客様が商品を手に取ってレジに行って購入すれば、それで終わりということが多い。われわれは、スタッフが声をかけて、充実した品揃えのなかから目的の商品をご案内する。これによって、初めて当店を訪れたお客様に安心して購入していただけるようにする」と、大高店長はアピールする。

お客様が安心して購入できる店づくりは、壁際の「ソトシマ」に展示している大型商品の購入を促すことにもつながるという。競合店よりも売り場面積が広くなり、各メーカーのさまざまな機種を展示できるようになった。テレビは、旧店舗では32インチなどボリュームゾーンを展示することに重きを置いていたが、今の店舗ではサイズごとに多くの機種を展示。品揃えが充実したなかで、「競合店よりもすぐれている接客がカギになる。スタッフと気軽に会話できるとわかっていただければ、お客様は何でも聞いてくるようになる」と、大高店長は自信をみせる。

接客と品揃えに加え、商品のデモにも力を入れ、広く確保した通路に話題の商品を置いて、お客様が気軽に体験できるようにした。大高店長は、「例えばエクササイズマシンの『ワンダーコア』など、体験することによってよさが際立つ商品に関しては、積極的にデモを行うようにした」という。

商圏は、小山市をはじめ、栃木県の南の玄関口である野木町、栃木県の県境に位置する茨城県結城市などの8万世帯程度。大型店舗として生まれ変わり、「多くのお客様に当店のファンになってもらう」(大高店長)ことを目標に据えている。

●店長が語る人気の理由――大高利之 店長

茨城県水戸市の水戸本店や東京都八王子市の多摩ニュータウン店でオープニングスタッフとして業務に携わったほか、東京都青梅市の青梅店で店長として立ち上げに参画。この経験を買われて、小山店のリニューアルオープンを店長として任された。

スタッフは30歳代前半が多く、ケーズデンキのなかでも中堅が揃う店舗。その半分は旧店舗での勤務経験があり、「常連のお客様は、そのスタッフに会うために来店される」という。移転オープンのセールでは、旧店舗の固定客が多く来店した。今後は、新たなお客様が増えていく。そのお客様をいかに固定客に変えるか。それが店長の腕の見せどころでもある。

※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2014年6月30日付 vol.1536より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは

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