『複製された男』撮影中のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督

ジェイク・ギレンホール主演の映画『複製された男』が18日(土)から公開になる。監督を務めたのは『灼熱の魂』『プリズナーズ』など映画ファンから高い評価を集めているドゥニ・ヴィルヌーヴで、新作では“これまで追求できなかった側面”を追求したという。監督が語る特別映像が公開になった。

特別映像

本作は、平凡な大学講師のアダムがある日、同僚に勧められた映画に“自分にそっくりな男”を見つけたことから始まる衝撃作。映画に出演していたアンソニーは何者なのか? 彼はなぜアダムと同じ姿をしているのか? もし複製であるとすれば、どちらが“オリジナル”なのか? 映画はギレンホールがふた役を演じ、謎に満ちた物語と衝撃の結末を描き出している。

ヴィルヌーヴ監督はカナダ出身で、デビュー作がいきなりカンヌ映画祭に正式出品され、続く第2作目『渦』でベルリン映画祭国際批評家協会賞を受賞。長編第4作目となる『灼熱の魂』はアカデミー外国映画賞にノミネートされ、日本でも人気を集めた。ギレンホールとタッグを組んだ『プリズナーズ』など、人間の暗部や欲望を容赦なく描き出す語り口と、独自の美学を感じさせる映像によって“鬼才監督”と称されている。

『灼熱…』でもタッグを組んだプロデューサー、ニヴ・フィッチマンから原作を手渡された監督は「ひとりの男の潜在意識とアイデンティティ、自己省察というテーマに深く惹きつけられた」という。さらに本作の登場人物が少ないことも魅力的だったようで「それは彼らとの試行錯誤に多くの時間を割けるってことだ。役者との関係を模索して共にどう進んでいくか? それは今までの作品では追及出来なかった側面なんだ」。

本作の俳優は繊細にキャラクターを表現しており、ちょっとした表情の変化やセリフのトーンで多くの情報や感情を観客にもたらす。とくに“複製”されたふたりの男を演じたギレンホールは、極端な演技ではなく、セリフの言い回しやリアクション、表情に絶妙な変化をつけることでアダムとアンソニーを演じ分けており、ヴィルヌーヴ監督は「どんなに高度な技術や演技手法を用いたとしても、結局は役者自身の演技がすべてなんだ。その点でジェイクは素晴らしかった。完成した映像の現実味は彼の演技力によるものだし、それなくしては成り立たない」と賛辞をおくっている。

『複製された男』
7月18日(金) TOHOシネマズ シャンテほか全国公開

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