「初めて」が脳を急成長させる?

人間の脳は、初めてのことを増やすと急成長するのだそうです。大人でもそうだというのですから、子どもならなおさらですよね。

ですが、親が先回りして失敗や危険を避けたりすると、子どもの初めての経験を奪うことになりかねません。

大人になった時にあえてアウェーに飛び出したり、新しいことに挑戦できたりするのは、子どもの頃、どれだけ自由に遊べたかにかかっているのです。

初めてのことに挑戦するのは、誰でも緊張することです。できれば「リラックスしながら集中するのがベスト」だそうですが、失敗を恐れる大人には、それが一番難しいことかもしれません。

ですが、失敗のダメージは最初がいちばん強いのです。ならば、何回もやって慣れてしまえばいいのではないでしょうか。

それに、子どもは年齢が若ければ若いほど、大人ほど失敗を気にしません。

子どもが失敗を恐れるようになるのは、その陰に失敗を恐れる親がいるからでしょう。

子どもがいかにアウェーを楽しめるかは、子どもにとってのホームグラウンドである親次第ということになりそうです。

ホームあってのアウェー

ホームは大事です。親という「安全地帯」があるから、子どもはアウェーにチャレンジできるのです。

その証拠に子どもは、ホーム感が確保できていないと、アウェーどころか親にひっついて離れなくなってしまう時がありますよね。

以前、記事『子育てママの悩みを救う!ロングセラー育児書『子どもへのまなざし』に学ぶ、名言11選』で紹介した、佐々木正美さんの『子どもへのまなざし』でも、次のようなくだりがあります。

幼い子どもが、はじめて出会ったことにたいして、「どうすればいいのかな」とふり返ったとき、親や祖父母や保母さんや幼稚園の先生などの視線が、かならず見守っていてくれていて、そして、どうすればいいのか教えてくれる。そういう過程をとおして、幼い子どものなかに育っていく人間的な感情や感性をソーシャル・レファレンシングとよんでいます。

『子どもへのまなざし』佐々木正美著 福音館書店

このように、子どもにとってなくてはならないホームですが、親側は気をつけておきたいことがあります。

結果を急いで先回りしないことです。失敗してもうまくいっても、結果は子どものものです。親がコントロールしないようにしましょう。

失敗した時のフォローは、必要な時だけさりげなく。決して怒らないこと。怒られると、子どもは純粋にアウェーを楽しめず、親の反応を伺うようになってしまいます。