『プレーンズ2』を手がけたボブス・ガナウェイ監督(写真右)と、プロデューサーのフェレル・バロン

昨冬に公開され、人気を得たディズニー・アニメーションの第2弾『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』が19日(土)から公開になる。本作を手がけたボブス・ガナウェイ監督は「この映画のために100人以上もの専門家に会ってリサーチを重ねた」という。一体、何のために? 監督とプロデューサーのフェレル・バロンに話を聞いた。

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本作は、農薬散布機ながら世界一周レースで優勝した飛行機ダスティが、レスキュー隊に入隊し、大規模な山火事に立ち向かう姿を描く。

前作からたったの半年で続編が公開になるが、2作品は同時進行で制作が進めらたそうで、本作の完成には4年を費やしたという。ガナウェイ監督は「僕たちがユニークなのは、シリーズ化を前提にして、何本も作品ができるほどの壮大で豊かな世界観を最初に作り上げたことだと思う。すでに複数のアイデアがあるから、これからも新しいダスティの物語を描くことができるんだ。だからこの映画は“続編”というよりも、ダスティの“新たな冒険”だと思ってもらっていいと思う」と説明する。

長年に渡って語り続けることができる世界を生み出すため、スタッフはひたすらリサーチを重ねた。「100人を超えるありとあらゆる分野の専門家やコンサルタントに会ったよ。時には燃油の専門家に『この燃料はどんな燃え方をしますか?』と相談したし、無線技師には火災時にどんな無線連絡が行われるのか教えてもらったよと監督が振り返れば、バロンは「調査を続ける中でストーリーが生まれていったし、『消火作業をここまで描いたアニメーションは存在しない!』と思えた時点で、この映画が真にオリジナルな作品になるという自信も生まれたよ」と語る。

もちろん彼らは調査結果を“そのまま”アニメーションにしたわけではない。本作を紹介する多くの記事が“炎や自然がリアル”と記載しているが、彼らの真の功績は、炎を“リアル”に描いたことではなく、徹底的に調べた後に、『プレーンズ』の世界で活きるように炎を“デザイン”したことだ。監督は「まさにその通りだよ!」と満面の笑みを浮かべ、「リアリスティックに描くことは重要だけど、現実そのままに描くと違和感が生まれてしまう。だから作品の世界観に合うようにひとつずつ手を加えていく作業が絶対不可欠なんだ」と力説する。「例えば、森のシーンでは森をそのまま描いたわけじゃない。デザインした250万本の樹木をひとつずつ設定していったんだ!」

入念に調査され、デザインされた風景や炎は圧巻だ。しかし観客の視線は“炎”ではなく“炎に立ち向かうダスティ”に注がれることになるだろう。「僕たちが目指すものは“キャラクター”を通して観客を作品の世界に引き込むことだ。だから調査をすることも、炎をデザインすることもすべて“キャラクター”と“ストーリー”のためなんだ。徹底的にデティールにこだわることで観客は物語に引き込まれるんだよ」(ガナウェイ監督)

『プレーンズ2/ファイアー&レスキュー』
7月19日(土)ロードショー