京都を拠点に活動するヨーロッパ企画が、8月より新作『ビルのゲーツ』を8都市で上演。公演を前に、大阪では恒例となった記者会見が行われ、10人の劇団メンバーと、今回客演に迎えた岡嶋秀昭、加藤啓、金丸慎太郎、吉川莉早の総勢14人が登壇した。

ヨーロッパ企画『ビルのゲーツ』チケット情報

近年は“漂流コメディ”“移動コメディ”“迷路コメディ”と、企画性を意識したコメディに挑戦している彼ら。その企画性コメディ第4弾となる今回は“ゲートコメディ”と銘打ち、巨大なオフィスビルを舞台にした群像会話劇を展開する。今作について脚本・演出の上田誠は「IDカードをスッとかざしてゲートが開くというシチュエーションに個人的な憧れがありまして。テレビ局で仕事があるときでも、1日入館証をいただくとテンションが上がるんですよね(笑)。それをヨーロッパ企画のメンバーがやれば面白くなりそうだな、と。巨大なビルの中に複数のゲートがあって、それを開けていくことで話が展開していきます。ここ数年は個人技が光る劇が続いていたので、久しぶりに群像でわらわらと動く様を見せたいと思っています。“これぞヨーロッパ企画”という原点回帰のお芝居にしたいですね」とコメント。

ヨーロッパ企画と同じく、京都を拠点に活動する客演の岡嶋は’07年の『冬のユリゲラー』以来、7年ぶりに出演。「ヨーロッパ企画は面白がり力がすごい(笑)。即興でお芝居をしていても、どんどん話が広がっていくんです。前回は再演だったので、今回は一からどう作り上げていくのかが楽しみです」と語り、『月とスイートスポット』以来、2年ぶりに出演の加藤は「元々のヨーロッパ企画のイメージは群像劇でした。今回、彼らの真骨頂の作品に参加できるということで、すごくワクワクしています」と、笑顔を見せる。さらに、今回が初参加の金丸は「コメディ作品はあまり出たことないので緊張していますが、頑張りたい」と意気込み、前作『建てましにつぐ建てましポルカ』に続いての出演となる吉川は「とにかく気合いだけは人一倍入っています!」と力強くコメントした。

また会見では恒例となったメンバーによるプレゼンタイムでは、どんな作品になるかをそれぞれが想像し、「私が考えるメインコピー」を発表。ヨーロッパ企画らしく記者会見までもイベント仕立てで面白がり、笑いたっぷりに公演をアピールした。

公演は8月9日(土)栗東プレビュー公演を皮切りに、京都、東京、大阪、広島、福岡、名古屋、横浜を巡演。

取材・文:黒石悦子