IFAは世界1のコンシューマー・エレクトロニクスショーだと話すメッセ・ベルリンのクリスチャン・ゲーケCEO

ドイツ・ベルリンで8月31日から9月5日まで開催される世界最大級のコンシューマ・エレクトロニクスの見本市「IFA 2018」。開催に先立って4月、今年の見どころや傾向を披露するイベント「IFA GPC(Global Press Conference)2018」がイタリア・ローマで開催され、世界60か国の主要メディアから300名以上が集まった。

IFAは、1924年に第1回「ドイツラジオショー」としてスタート。242社が出展しメッセ・ベルリンの第4ホールで開催したのが最初だった。当時、ラジオは最先端技術であり、時代の先端を走る見本市という特徴は今でも変わっていない。57回目を迎えた昨年のIFA 2017では、1805社が出展し25万2000人が来場した。

ドイツ国外からも7万人以上が来場。報道関係者も世界160カ国からおよそ6000名が集まり、世界最大級の家電国際見本市に拡大した。次回のIFA 2018も、ドイツ・ベルリンのメッセ・ベルリンで開かれる。今のところ主要日系企業ではシャープ、ソニー、パナソニックなどが出展予定。開催に先立って、報道関係者向けに内覧などを行うプレスデーは8月29日と30日に設定されている。

IFA 2018の概要と見どころを紹介するIFA GPC 2018で、メッセ・ベルリンのクリスチャン・ゲーケCEOは「IFAは世界一のコンシューマー・エレクトロニクスショー。エレクトロニクスの世界市場の動きを、それぞれのエコシステムを俯瞰しながら一望できるのは唯一IFAだけ。さらに、実際に人と人が出会う場所こそ最強のコミュニケーションの場であり、イノベーションを実現した製品やサービスを肌で感じることができるのも、リアルな見本市の最大のメリットだ。会期中の取引総額は約47億ユーロ(約6100億円)と、そのメリットが遺憾なく発揮されている」と話した。

昨年、amazonがalexa関連で出展するなどで好評だった、スタートアップのショーケースとも言える「IFA NEXT」。22か国から出展した180社のうち125社がスタートアップという、まさに時代の兆しを一覧できる会場の設えに成功したと言えるだろう。今回も昨年同様、日本企業を含めた先端企業が数多く出展する見込みで、IFA 2018の目玉のひとつになるだろう。なお、昨年同様「Hall 26」で開催される。

さらに、IFA 2018の目玉は車だ。車をテーマにした「Shift Automotive」を9月4日と5日の2日間併催する。ラスベガスや上海のCESでは、自動運転車を中心とする車のテクノロジー展示は、もはや主役の1つと言っていい地位にある。一方、これまでIFAでは会場の都合もあり、なかなか車にスポットをあてた展示ができておらず、その点の物足りなさはぬぐえなかった。しかし、ようやく車をテーマにしたイベントを併催することで、IFAは次のステップに足を踏み出したといえるだろう。

「Shift Automotive」はジュネーブのコンベンションセンターPalexpoとメッセ・ベルリンが共同して行うもので、1回目をIFA会場で9月に開催した後、19年3月にジュネーブのPalexpoで2回目を開く、年2回開催のイベントだ。詳細はまだ明らかにされていないが、自動運転を軸にしながら、家電製品と自動車の融合を通じて来るべき新たな社会の一端を示す内容になりそうだ。(BCN・道越一郎)