「GIFTEXワールド2014」で開催した「DESIGN TOKYO 東京デザイン製品展」

7月9~11日の3日間、東京ビッグサイトで、雑貨や小物を集めた商談展「GIFTEXワールド2014」が開催された。同時に、「雑貨EXPO」「ベビー&キッズEXPO」「DESIGN TOKYO 東京デザイン製品展」など、七つの展示会を開催。全体で1900社が出展し、雑貨や小物など約18万点が出品された。

「GIFTEXワールド2014」は、商談中心の展示会。一般ユーザーは入場できないが、未発表の製品やデザイナーが手がけた作品などが並び、新しいモノを発見できる。「東京デザイン製品展」では、デザイン照明やインテリア、小物、雑貨などを展示していた。

なかでもデザイン照明は、光源が白熱電球からLED電球に代わったことでデザインの自由度がアップ。発熱が少なく、小さいので、狭い場所にも設置できるようになり、いままでにない細やかなデザイン照明をつくることができる。そのなかで目を引く製品・作品を紹介しよう。

●リラックスできる空間×思いやり シャワーヘッドを照明に

美容機器部品やインテリア部品などを手がけるフクシマ化学は、シャワーヘッドにLEDを埋め込んだ「sache(サシエ)」を展示。一日の疲れをほぐすバスルームを、リラックスできる空間に演出する。

LEDの色が、シャワーの温度によって変化する。例えば、38℃未満だと青、38~42℃の適温だと緑、42℃を超えると赤く光る。同時に、背面には水温を表示。お湯に触れる前に温度がわかるので、年配者や子どものやけどなどのトラブルを防ぐ。デザインと使う人に対する思いやりを両立した製品だ。発売は今秋の予定だ。

●紙を重ねて輝く つくる工程も楽しい「トゥインクルピース」

ちょっと気が早いが、クリスマスシーズンにピッタリなのが、デザインスタジオ・MEDIUMと印刷会社の新興グランドが共同で開発した「トゥインクルピース」だ。新興グランドが開発した疑似ラインストーン印刷を施した紙のピースをつなぐことで、平面や立体をつくるものだ。

ラインアップは「オーナメント」「リース」「モビール」「照明」の4タイプで、発売は7月中旬の予定。「照明」は28枚のピースを組み合わせて円錐形をつくり、照明器具を取りつけて吊すもの。円錐形のツリーのような形状だけではなく、ピースに印刷した疑似ラインストーンがキラキラと光り、雰囲気を盛り上げてくれる。

●明るい生活を“人”に支えてもらっちゃえ

台湾のINTERFLOWが手がける「Man2Max」は、ちょっと変わった照明器具を並べていた。ブランド名に「Man(人)」が入っているだけあって、人型のデスクスタンドを多数展示。シンプルで愛嬌のある人型が、照明をくくりつけた棒を持ったり、両手で照明を持ち上げていたり……。思わず「いつもご苦労さま」と声をかけたくなる健気さだ。

単に人の形をしているだけではなく、腰や肩などの関節部分が曲がるので、照明の角度を調整することができる。

●プロトタイプを展示する「PROTO LAB」では独特の雰囲気が

「東京デザイン製品展」では、デザイナーが手がけた製品化前のプロトタイプを展示する「PROTO LAB」ブースがあった。イス部門や照明部門、スマホグッズ部門、時計部門に加え、新しくキッチンウェア部門の五つの部門を設け、作品を展示。このなかから次世代の流行が生まれるかもしれない。

照明部門では、インテリア設計士の藤原誠人さんが手がけた「historia」が展示されていた。立方体の照明器具で、ヒノキの板を何層も重ね合わせて積層にしている。ヒノキ板の層がまるで地層や年輪のように見え、時の流れを感じることができる。

照明部分はヒノキの層をくり抜いてつくっているが、まっすぐではなく、地軸と同じ角度で傾斜をつけてくり抜いている。このくぼみをやや上から眺めるとハート型に見えるのも、愛嬌があっておもしろい。

「スマホグッズ部門」では、蠱惑(こわく)的なスマートフォンスタンド「Lemina Sp」が出品されていた。曲線的な女性の足をかたどったスタンドで、NEXT DESIGNの鈴木光幸さんの作品だ。タッチ操作、横置き、フリーストップヒンジによる角度調整ができる。

バランスを取るために、上から見て底面が三角になるようにしているが、それが女性が足を崩しているように見える。ここにスマートフォンを置くと、まるでスマートフォンがリラックスしているように見えるほほえましい作品だ。