吉田仁美『ラブリンク』

2013年に放映されたプリキュアシリーズ第10作『ドキドキ! プリキュア』の後期エンディング曲。

同作は、前期のエンディングだった『この空の向こう』で、テクノアプローチにチャレンジしており、本曲も歌唱に吉田仁美さん、作曲にDr.Usuiさん(MOTOCOMPO)という同体制で制作されています。

コンポーザーにテクノポップ系のアーティストを招き、本格的な電子音が楽しめる本曲。

メロディと歌だけでも相当なレベルの高さなのですが、ファンならば見逃せないのが、曲に合わせてCGキャラクターが踊るダンスの存在です。

可愛らしくも強く印象に残る振付けを考案したのは、Perfumeの個性的なダンスの数々を生み出したMIKIKOさん。同じく、MIKIKOさんが振付けを担当した『この空の向こう』と併せて、必見のアニメーションとなっています。

佐倉千代(CV:小澤亜李)『ウラオモテ・フォーチュン』

中田ヤスタカさんの作るJ-POPが好きな方ならば、きっと好きになってくれるに違いないアニソンシーンのコンポーザー……それが、ヒゲドライバーさんです。

チップチューン的なデジタルサウンドに、明るさとマニアックさが同居するメロディ、そして、エフェクトを巧みに使ったボーカル。ヒゲドライバーさんの作り出すテクノポップ系の楽曲には、Perfumeをはじめとする中田サウンド愛好者の琴線に触れる要素が数多く詰まっています。

その魅力がタップリと凝縮された曲が、この『ウラオモテ・フォーチュン』。声優の小澤亜李さんが出演作のキャラクター名義で歌っている楽曲で、ピコピコした打ち込み音とキュートな歌声の相乗効果が、とてつもない愛くるしさを生み出しています。

歌に加工を行っているものの、人間味とチャーミングなフィーリングを失うことなく、それでもシッカリと“テクノ”へと仕上げた絶妙なバランス感覚による仕事ぶりも目を引きます。

バンド形態による作編曲も込みで、ヒゲドライバーさんの楽曲はどれも素晴らしものばかりですが、“テクノポップ”ならば個人的に一番のオススメは、この曲! 中田ヤスタカファンにも全力でプッシュさせていただきます。

ハッカドール(高木美佑、奥野香耶、山下七海)『Happy Days Refrain』

ポップカルチャー特化型ニュースアプリのアニメ化『ハッカドール THE あにめ~しょん』、そのエンディングを飾った曲。

主演声優3人による4つ打ちテクノなダンスポップ曲で、こちらも柔らかめに掛けたボイスエフェクトに、煌めくメロディ、アッパーなサビの多幸感を盛り上げる緩急の効いた曲構成と、中田ヤスタカ曲が好きな人なら見逃せない要素が盛り沢山。

更に、MVで見ることができるメンバーのダンスには、いたる所にPerfumeを彷彿とさせるアクションが盛り込まれており、歌、音、そして、踊りという全ての要素でオマージュが感じられる作りになっています。

未来感のあるセットや女性的でスタイリッシュな衣装も含めて、視覚的にも強い影響が見受けられるナンバーで、Perfumeへのオマージュとしては『バニラソルト』と並び立つレベルで素晴らしい完成度を誇ります。

アニメ化と連動したプロジェクトなので、ユニットとしては単発で終わってしまったのが本当に惜しい限り。テクノなJ-POP好きにも是非とも聴いていただきたいと思います。