井上麻里奈『ビューティフル・ストーリー』

『ポリリズム』リリースの半年前に世に生まれた、中田ヤスタカさんプロデュースによる声優ソング。井上さんが主演を務めた『月面兎兵器ミーナ』のエンディングテーマとしても起用され、視聴者に強いインパクトを残しました。

中田さんプロデュース曲の旨味が随所に溢れており、言わずもがなのハイクオリティーな楽曲となっています。

『リニアモーターガール』や『コンピューターシティ』、『エレクトロ・ワールド』といったメジャーデビュー直後の初期曲にも通じるロックな高揚感とポップな親しみやすさ、そして胸を貫く情緒的なメロディが渾然一体となったトラックは、ただただエモーショナルで、素晴らしいとしか言い様がありません。

ちょっと儚げな印象を与える井上さんの歌声も曲調にマッチしており、「テクノポップアニソン」の特異点として、今も色褪せぬ輝きを放っています。

嘉陽愛子『cosmic cosmetics』

こちらも中田ヤスタカさんのプロデュース曲。avexから音源をリリースし、声優としての活動も行っていた嘉陽愛子さんの11枚目のシングルで、2006年の作品。

スペーシーでオシャレな電子音が曲全体をコーティングしており、嘉陽さんの艶っぽい歌い方もあってか、後の中田さん関連の楽曲に比べると、どこか大人びたムードが大きな特徴。

メイクやファッションに関するワードを並べたリリックもスマートで、歌と音の世界観は、PerfumeというよりはMEGさんの諸楽曲に近いものが感じられますね。

Perfumeの大ブレイク直前に世に生み出された、まさに"隠れた名曲"です。

桃井はるこ『Sunday early morning』

桃井はるこさんが2008年に発表したフルアルバム『Sunday early morning』のタイトルトラック。

桃井さんといえば、テクノポップ路線へと踏み出した直後のPerfumeに楽曲を提供した経験を持っていることで、古参のファンならばその名を知らぬアーティスト(「ぱふゅーむ×DJ momo-i」名義で、『アキハバラブ』というタイトルの限定シングルをリリース)。

そんな桃井さんが、この曲ではエレクトロ的なサウンドに挑戦しており、スタイリッシュでロックな電子サウンドを聴かせてくれます。

Perfumeとの縁もあるアニソンアーティストということで、テクノ好きなアイドルファンにもオススメの本曲。

当時は、PerfumeのJ-POPシーンでの大躍進に加えて、洋楽ファンの間でも「ニューレイブ」と呼ばれたロック・ミュージックとクラブ系の音楽との融合を図った新しいサウンドが人気を誇っており、様々な音楽シーンでテクノ系のユニークな曲が次々に生み出されていました。その当時の時代性と熱狂も思い起こさせてくれます。

都内在住の極々平凡なサラリーマン兼、アニメ、音楽、プロレス、映画…と好きなものをフリーダムに、かつ必要以上に熱っぽく語るBLOG「さよならストレンジャー・ザン・パラダイス」管理人。永遠の"俺の嫁"である「にゃんこい!」の住吉加奈子さんと共に、今日も楽しいこと、熱くなれることを求めて西へ東へ。