BCNは、7月17日、PC・デジタル家電の実売データを集計した「BCNランキング」にもとづいて、主要117カテゴリ(ジャンル)について、2014年上半期(1~6月)に最も販売数量が多かった「上半期No.1メーカー」を発表した。

●タブレット端末はASUSが1位、アップルは首位陥落

パソコン(デスクトップPC・ノートPC・タブレット端末)のうち、最も販売台数の多い「ノートPC」は、NECがシェア22.8%で1位を獲得した。2位には富士通(18.9%)、3位には東芝(18.0%)がつけている。2014年春モデルをもってPC事業を収束したソニーは、7.3%で6位だった。なお、ソニーのPC事業を引き継いだ新会社「VAIO」は、当面は直販限定で展開するので、「BCNランキング」の集計対象からは外れることになる。

2番目に多い「タブレット端末」は、Googleブランドの7インチタブレット「Nexus 7」を手がけるASUS JAPANが38.9%を占め、トップに立った。2013年、年間1位だったアップルは36.3%にとどまり、2.6ポイントの僅差ながら2位に甘んじた。アップルは、タブレット端末では1位から陥落したが、スマートフォンでは54.1%でトップに立ち、シャープ、ソニーモバイルコミュニケーションズなど、2位以下を大きく引き離している。

4月の消費税増税やWindows XPの製品サポート終了による駆込み購入の影響を受け、上半期のノートPCの販売台数は前年同期比15.8%増と、久しぶりに好調だった。タブレット端末も、同じく1~6月の上半期で22.2%増と大幅に伸びた。特に3月は、前年同月比57.0%増という大幅増を記録した。PC関連以外の主要ジャンルの販売台数も、増税前の駆込み購入の影響で軒並み拡大した。

●注目の4Kテレビはソニーが1位 液晶ディスプレイはトップ交代

今回から、液晶テレビのうち、4K表示に対応した製品を抽出し、新ジャンル「4Kテレビ」として独立させた。試験放送が始まるなど、注目が集まる4Kテレビのトップはソニーで、シェアは64.9%。液晶テレビ全体では、40インチ以上/40インチ未満ともにシャープがトップだった。ソニーはミラーレス一眼カメラでもシェア36.4%を占め、首位を走っている。

このほかAV機器関連では、携帯オーディオ・ICレコーダー・ホームシアターシステムはソニー、BD(ブルーレイディスク)レコーダーはパナソニック、レンズ一体型デジタルカメラと一眼レフはキヤノンが上半期の首位に立った。

PC周辺機器では、液晶ディスプレイはベンキュージャパン、メモリカードはサンディスク、映像関連ボードは5月発売の「Chromecast」がヒットしたグーグルがそれぞれ1位を獲得した。液晶ディスプレイは、2012年は三菱電機、2013年はLGエレクトロニクスが年間1位を獲得しており、ベンキューがこのまま年間1位を獲得すると、3年連続でトップが交代することになる。

BCNでは、年1回、「BCNランキング」にもとづいて、部門(ジャンル)ごとに年間販売数量第1位の企業を表彰する「BCN AWARD」を開催している。来年1月には、2014年に最も販売数量が多かったメーカーを表彰する「BCN AWARD 2015」を開催する予定。残り半年弱で、順位やシェアに変動があるのか、今後の動向に注目したい。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベース(パソコンの場合)で、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。