「友だち5000人」は意識せずに出来上がった“輪”

――今回の本に記されている社長との繋がりを含め「友だち5000人」と公言されてますが、誰とでも親しくなれるという“能力”に最初に気づいたのは?

入江:いや、自分でそういう能力が高いと意識したことってなかったんです。幼稚園や小学校の頃から、自然に自分の周りには人がいるような環境でした。決してリーダーというわけではないんですが、なぜか気が付いたら自分の周りに人の輪が出来ている感じで…。ただ、人を巻き込む力、自分が巻き込まれる力があるとはよく言われますね。

――5000人の輪も自然に出来ていった?

入江:僕としては当たり前のことをしていただけなんです。何かの席で名刺をいただいたら、興味があればこちらから連絡するし、ごちそうになった人には翌日、メールでお礼をする。お世話になっている人が映画を撮ったら見に行って感想を送る。それは普通のことで、そうする中で人の繋がりで横綱や澤さんと知り合う機会もできたんです。

――とはいえ、マメな性格ですよね?

 

入江:マメな方ですね。普通、面倒くさがると思いますもん。例えば、たまたまFacebookで「〇○でこういうイベントをするんですが」というメールを受け取って、自分で会いに行って、結局そのイベントに出ることになったり。ギャラも高いとは言えないし、会社も通してないんだけど“縁”だなと感じたら、そこは面倒くさがらずに行動に移しちゃいます。この本でも「GPS(GO! PUSH! START!)」と書いてますが、スケジュールが空いているならやってしまおうと、わりと直感で(笑)。行った先に何かがあるというのが大好きなんですよ。僕自身、めんどうだって気持ちがないわけじゃないですし、リスクもある。でも「しんどそうだな…」と思ったその先で、“親友”と呼べる人との出会いがあったりするんですよ。

――いまの若い世代の中には、仕事での人付き合いを避ける人も多いし、“飲みニケーション”という言葉が死語になりつつあるとも言われています。

入江:誰しも向き不向きはあるので、それはそれでいいと思いますよ。ただ、僕がかわいがっている「入江軍団」の若い奴らを見ても、もったいないなと思うことはあります。「メールの返信は早めにしろ」と口を酸っぱくして言っても、なかなかしない。まあ若い時は僕もとんがってはいたので、コミュニケーションは大事にしていたけど、一方で芸に関しては「人付き合いよりも面白いネタを書けば売れるでしょ?」と思ってる自分も確かにいました。芸歴を重ねると、思っていたよりも自分に才能がないって気づくんですよ(苦笑)。僕の場合は、相方(=矢部太郎)が先にTVに出て、置いて行かれたってのがまずあったし、現実に近くに自分の100倍才能がある人がゴロゴロいた。飲みに行くとメジャーリーグ級の先輩がいて、気持ちが折れそうになったけど、自分が特化するのはどこなんだ? と考えました。