チャン・シンチー監督

日活と東宝東和が“アジア映画最強レーベル”を目指す『GOLDEN ASIA』を共同で設立し、その第一弾作品がチャン・シンチーの監督最新作『西遊記~はじまりのはじまり~』であることが22日、都内で行われた記者会見で明らかになった。

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「アジア諸国と日本の文化の架け橋として、アジア各国の第一級作品を日本の映画ファンに提供するアジア映画最強のレーベル」をコンセプトに掲げる『GOLDEN ASIA』。アジア各国で興収第1位を獲得、または映画賞を受賞するなどの“実績ある作品”がレーベル対象作品の選定基準になる。

会見には日活の佐藤直樹氏(代表取締役社長)、東宝東和の松岡宏泰氏(代表取締役社長)、そして6年ぶりの来日を果たしたシンチー監督が出席。『西遊記~はじまりのはじまり~』はすでに2013年の中国映画興行1位を記録し、世界12地域で200億円を超える大ヒットという十分過ぎる“実績”を誇っており、シンチー監督も「この作品を第一弾にお選びになるとは、お目が高い。この作品以外、ありえない」と上機嫌だった。

映画は妖怪によって人間が言葉を奪われた世界を舞台に、若き妖怪ハンターの三蔵法師が、妖怪の大王・孫悟空を倒し、その後に弟子として迎え入れ、水の妖怪、豚の妖怪と共に天竺(てんじく)へと向かうというアクション・ファンタジー大作。「構想は10年くらい前から。もともと大好きな物語だし、現在の映像技術を使って映画化したいと思っていた。いろんな要素が含まれた作品だし、今は続編についてもアイデアを膨らませているんだ」(シンチー監督)。

今後、『GOLDEN ASIA』では『西遊記~はじまりのはじまり~』を皮切りに、全世界興収も製作費もインド映画史上歴代ナンバーワンだというアクション大作『チェイス!』(12月公開)、実在の五輪メダリストの数奇な半生を描いた感動作『BHAAG MILKHA BHAAG』(原題/2015年公開)の配給を予定している。

『西遊記~はじまりのはじまり~』
11月TOHOシネマズ有楽座ほか全国ロードショー

取材・文・写真:内田 涼