左から、泉見洋平、貴水博之  撮影:源 賀津己 左から、泉見洋平、貴水博之  撮影:源 賀津己

上島雪夫演出・泉見洋平主演で、2010年『King of the Blue』、2011年『陰陽師~Light and Shadow~』と続いたオリエンタルロックミュージカルシリーズ。11月に上演される第3作『SONG OF SOULS 慶長幻魔戦記』がシリーズ最終章となる。物語の舞台は江戸時代初期。後に徳川家光となる主人公・乃太郎役の泉見洋平と、『King~』以来のシリーズ出演になる貴水博之に話を訊いた。

『SONG OF SOULS-慶長幻魔戦記-』チケット情報

泉見は1作目のオファーを受けた時「今までにない作品」と感じたという。「登場人物が人間くさくて面白いなと思いました。普段やらせていただいているグランドミュージカルとは違った僕の一面を引き出してもらったシリーズです」。貴水も「舞台の世界でのロックな部分が表現されている作品だな、と感じました。だから僕もウエイトトレーニングで体を大きくして、強い気持ちで臨んだんですよ」と当時を振り返る。

今回の之太郎役について泉見は「親の愛を得られずに家を飛び出し、芝居の一座で自分の居場所を見つけようとする。シリーズで演じて来た役柄とは、切なさが前面に出るところが共通しています」と語る。貴水の今回の役どころは、人々を意のままに操る荒神・魔多羅神。「『King~』では洋平くん扮する白虎を支える役でしたが、今回は之太郎をいじめてしまうんです(笑)」。

ともにミュージカル出演と音楽活動、ふたつの側面から音楽と関わるふたり。アプローチの違いがあるかを尋ねると、泉見は「以前ほど差がなくなった。最近、その楽曲や役の気持ちでスッと歌に入っていけばいいのかな、と思うようになったので」と答えた。一方貴水は「ユニットでは自分で詩も書くし、ほぼ自分のアイデンティティ、等身大に近い感じで表現する場合が多いんです。だから舞台で、自分でないものに『変身』して歌うことは刺激的」なんだという。

シリーズ3作目にして最終章であることについては、「全ての面で、僕たちが個々にブラッシュアップしたものを見せていかなければいけない。でも上島さんについて行けば、きっとシリーズ最高の舞台になると思います!」と貴水が頼もしいコメントを。そして泉見は「上島さんの音と光のスペクタルは僕も楽しみです。うれしいのは、今回初めて大阪公演があること。関西の皆さんにもぜひこのシリーズの世界観を楽しんでいただけたらと思ってます」と締めくくった。

公演は11月7日(金)から16日(日)までKAAT神奈川芸術劇場 ホール、11月23日(日・祝)・24日(月・休)に大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演される。

取材・文:山上裕子