日本上陸一番乗りのChromebook「C720」

日本エイサーは、7月23日、国内初のChromebook「C720」を法人と教育機関向けに販売を開始したと発表した。

Chromebookは、Googleが開発するオペレーティングシステム「Google Chrome OS」を搭載するノートPC。ウェブブラウザ上であらゆる作業を行い、データはクラウドのGoogleドライブに保存する。高いスペックが必要とされないので、通常のノートPCより安く提供することができる。

発表会で、ボブ・セン社長は「創業以来、ハードウェアを販売してきたが、現在は『ハードウェア+ソフトウェア+サービス』を扱う企業に転換中だ」と事業の方向を説明。「2012年5月に米国で初めて発売したChromebookは、今では世界各国で販売されている。日本での展開は遅れたが、発売する第二世代の『C720』は、米国でもシェアNo.1を誇る自信作だ」と、満を持して日本市場に送り込んだChromebookを紹介した。

11.6型WXGA(HD)ディスプレイの「C720」は、高い処理能力をもつインテルCeleronプロセッサ2955U(1.4GHz)を搭載。省エネ性能も高く、最大8.5時間の連続駆動を実現する。メモリは4GBで、ストレージ容量は16GB。インターフェースは、USB3.0、USB2.0、イヤホンジャック、HDMI出力ポート、SDカードリーダーを備える。

Chrome OSに最適化し、起動時間は7秒以下。時間の経過やデータの蓄積によって動作速度が遅れることはほとんどない。また、強固なセキュリティも魅力の一つだ。セキュリティを起動時に自動でアップデートするので、常に最新のセキュリティ環境で作業することができ、サンドボックスやデータ暗号化、セキュアブートなどのマルチセキュリティも備える。

個人認証はGoogleアカウントを使用するので、一台を複数人で簡単に共有することができる。発表会で実機に触れたが、すでに登録してある記者のアカウントでログインすると、ブラウザの設定などを自分のPCのように快適に利用することができた。Windows PCのスタートボタンの位置には、アプリを一覧表示するランチャがあり、頻繁に使用するアプリはデスクトップの下部にピン留めすることができる。

「C720」は、すでに日本の複数の教育機関が利用している。事例として紹介されたのは、教育改革を進める東京の中高一貫校・広尾学園。高校の「医進・サイエンスコース」の生徒に配布し、授業や日常生活で活用している。

授業を担当する教諭からは「Google Appsでレポートなどを共有することで、教師を含め、クラス全体のコミュニケーションが密になった」「管理が簡単。これまで他のPCやタブレット端末だと数日かかっていた作業が、5分で完了した」などの感想が出ていた。

個人向けの販売はまだ検討中だが、法人・教育機関への販売は今後も拡大していく。