『過ぐる日のやまねこ』がクランクアップ

第34回PFFアワードでグランプリに輝いた鶴岡慧子監督の最新作『過ぐる日のやまねこ』が19日に長野県上田市ですべての撮影を終えた。本作はこの後、仕上げ作業に入り、9月に行われる第36回のPFF(ぴあフィルムフェスティバル)でプレミア上映される。本作は、幼少期に体験した父の死を機に当時の記憶が曖昧な時子(木下美咲)が、幼少期を過ごした田舎町へ向かうところから物語が始まる。時子はその町で、身近な人の死によって孤独感を抱えている高校生・陽平(泉澤祐希)に出会い、お互いに心が癒されていく中で、ふたりの“死”にまつわる真実が明らかになっていく。撮影は鶴岡監督の故郷である上田市で行われ、先ごろ撮影が終了。鶴岡監督は「まずは主演の木下美咲さん、泉澤祐希さんはじめ刺激的で魅力的なキャスト陣と、素晴らしいスタッフと共に撮影ができた事、本当に幸せに思います」と言い「生まれ育った土地で撮影できたこと、クラウドファンディングを通じて懐かしい顔との再会や新しい出会いに恵まれたこと、故郷の皆様と共に映画作りに取り組めたことに、心から感謝したいと思います。“記憶”がこの映画の重要なテーマですが、この撮影での体験自体が、私にとって忘れがたい大切な記憶となりました。最上の感謝を込めて、この映画に関わった皆様、そしてこれからこの映画と出会って下さる方々の記憶にも残るような作品に仕上げたいと思います」とコメントした。映画は9月にプレミア上映の後、全国公開が予定されているが、鶴岡監督はすでに海外の映画祭などで高い評価を集めており、本作も海外の映画祭での上映や配給も期待されている。秋に開幕する第36回のPFF(ぴあフィルムフェスティバル)は、9月13日(土)から東京国立近代美術館フィルムセンターで11日間にわたって開催され、その後に名古屋・神戸・京都・福岡で順次開催を予定している。今年も自主映画コンペ“PFFアワード”が行われるほか、世界的に再評価が高まっている羽仁進監督の特集、“素晴らしい特撮の世界”特集、新旧の傑作を上映する“SF映画特集”、矢口史靖&鈴木卓爾監督による“ワンピース”プロジェクトの20周年記念特別企画などが行われる予定。『過ぐる日のやまねこ』第36回PFFにてプレミア上映後、全国主要都市にてロードショー公開第36回PFFぴあフィルムフェスティバル9月13日(土)から25日(木)まで東京国立近代美術館フィルムセンター(東京・京橋)にて開催(以降、名古屋・神戸・京都・福岡にて順次開催)