日本初演から今年で38年目を迎える名作ミュージカル『ピーターパン』。気鋭の演出家・藤田俊太郎のもと、10代目ピーターパンの吉柳咲良が、昨年に引き続きこの大役を任されることになった。

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初代の榊原郁恵を筆頭に、笹本玲奈や高畑充希など、そうそうたる面々によって演じられてきたピーターパン。昨年、そんな夢の大舞台に立った日々を、吉柳はこう振り返る。「あの夏の経験はとても大きかったと思います。自分の中で確実に何かが変わったというか…。なによりも、私はお芝居をすることが好きなんだなって、気付かされました。キラキラした目で観てくれている子がいたり、フライングをした時に『すごーい!』って声が聞こえてきたりすると、本当に嬉しくて! この世界に入らなければ味わえなかった感覚だと思いますし、まさに夢が叶った瞬間でした」

演じるピーターパンについて吉柳は、「本当に生意気な男の子」と笑いつつも、「羨ましいところもある」と続ける。「とても素直に、はっきりと気持ちを伝えられるところは、すごく羨ましいなと思います。とにかくすべてにおいて真っすぐ過ぎるくらい真っすぐですし、嘘がない。そこは私と違うところなので、演じるのがすごく難しかったです。ただ、私のひとつ年下の弟が、本当に生意気で、まさにピーター(笑)。小さかったころの弟の姿が、役づくりをする上でとても役に立ちました」

ピーターの役づくりを助けた人物がもうひとり。「演出の藤田さんって、ピーターっぽいところがあるんです(笑)。真っすぐに夢を見ている感じとか。藤田さんから“こうしたらもっとピーターっぽくないですか?”とか言われると、“絶対にそうだと思います!”みたいな(笑)。藤田さんを見ていればピーターがわかるというか、藤田さん自身がまさにピーターみたいだなと思います」

そんな藤田の手を借りつつ、2年目の吉柳ピーターは、さらに高い空へと舞い上がる。「去年を越えなきゃいけない、というプレッシャーはありますが、前回演じてすごく楽しかった気持ちとか、今までレッスンをしてついた自信、さらに忘れられない小さいころの気持ちを大事にしながら、また新しいピーターをつくっていくことが出来たらなと思っています。そして“次のピーターになりたい!”って思ってもらえるような、みんなにとっての憧れのピーターを演じられればいいなと思います」。

青山メインランドファンタジースペシャル ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』は、7月21日(土)から8月1日(水)まで東京・東京国際フォーラム ホールCにて。その後、大阪、金沢、名古屋でも上演する。チケットは発売中。

取材・文:野上瑠美子