フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2014 撮影:青柳聡

首都圏のプロオーケストラがミューザ川崎シンフォニーホール(神奈川県川崎市)に集結する真夏のオーケストラの祭典「フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2014」が、7月26日に開幕を迎えた。

「フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2014」の公演情報

ミューザ開館翌年の2005年に始まった「フェスタ サマーミューザ KAWASAKI」は、1公演あたり2000~3000円と手頃な価格で楽しめる人気の音楽祭。公開リハーサルや出演アーティストによるトークも行われ、ビギナーからコアファンまで楽しめるコンセプトも好評だ。首都圏で活躍するプロ・オーケストラが日替わりで登場するのが特徴で、今年は10回目の開催にちなんで、参加楽団がこれまでの9から10にグレードアップしている。

音楽祭の幕明けを飾ったのは、恒例のオープニング・ファンファーレ。11時よりホール前の歓喜の広場で、東京交響楽団の金管・打楽器セクションが、「音楽のまちのファンファーレ ~フェスタ サマーミューザKAWASAKI によせて~」(作曲:三澤慶)を演奏。午前中にも関わらず、フェス開幕を待ちわびた大勢のファンに迫力の演奏を披露した。

同11時30分からはオープニング・コンサートの公開リハーサルを実施。本公演のチケットを提示すれば自由席で見学可能ということもあって、最前列のステージかぶりつきのブロックや指揮者の真正面(オーケストラの背面)に位置するブロックなど、本公演とはまた異なる座席が選べるのも、コアなファンには人気のポイントだ。会場のミューザ川崎は世界の巨匠たちが絶賛する上質な音響が特徴なだけあって、ファンたちの演奏に対する集中力も、オーケストラに負けず劣らず、本番さながらだ。

いよいよ15時からはユベール・スダーン指揮、東京交響楽団によるオープニング・コンサート本番。お祭りの始まりに相応しく、ベルリオーズの「ローマの謝肉祭」序曲で鮮やかにスタート。続いて、巨匠ダーヴィド・ゲリンガスをソリストに迎えて、ロマン派の名作、シューマン「チェロ協奏曲」を。そしてフィナーレは、サン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付」。ミューザ自慢のパイプオルガンを奏でるのは、同ホールアドバイザー松居直美。今春まで10年間にわたって音楽監督を務めてきたスダーンと、彼のもとで世界水準のオーケストラに成長した東響の集大成が解き放たれたかのごとく、変幻自在のサウンドを響かせ、満場の客席を感動で包み込んだ。

「フェスタ サマーミューザ KAWASAKI 2014」は、8月10日(日)までミューザ川崎シンフォニーホールで開催。また、川崎市内への出張公演として「サマーミューザ@しんゆり!」が、8月3日(日)・9日(土)に昭和音楽大学 テアトロ ジーリオ ショウワで開催。