レイコップの「ふとんコンディショナー」で本当に睡眠負債は解消できるのか

ここのところ話題になっている“睡眠負債”という言葉をご存知だろうか。「毎日の睡眠不足が積み重なって心身に悪影響をおよぼす」ことを指す、なんとも恐ろしいキーワードだ。しかし、多忙を極める現代人にとって「眠い」はもはや平常運転。寝たくても、寝る時間がないのだ。 “時間”が無理なら“質”を改善すればよいのでは? こんな発想の転換で睡眠負債対策に名乗りを上げたのは、ふとんクリーナーで有名なレイコップだ。新製品の「ふとんコンディショナー」は、寝床内の温度を調節することで快眠環境を整えるというこれまでにないタイプのアイテムだが、果たして効果はあるのか。記者が自宅で検証してみた。

ベッドの3方向から設置可能 高さも気にする必要なし

「ふとんコンディショナー」は単体ではなく、敷布団やベッドの上に敷く専用のエアマットと、エアマットに空気を送風する本体の二つから構成される。別売でオールシーズン用と夏用の2種類のふとんカバーも販売していて、今回のレビューではオールシーズン用を使用した。

「なぜ専用のエアマット?」と不思議に思うかもしれないが、実はこのエアマットにはさまざまな工夫が施してある。まず「エアスペーサー」という新開発の構造だ。

実際にマットの中をのぞいてみると、予想外の構造に驚く。かための繊維がからまるようにマットを形成しており、かなりの部分が空洞になっているのだ。調べてみるとこれはペルプレンと呼ばれる耐熱性・耐久性にすぐれた合成繊維らしい。本当に体を支えられるのか不安になり、手で強めに押してみると、型崩れするどころか、逆にかなり反発してきた。

今度はマットの上に横になってみた。手で押したときと同じく反発はしっかり効いているのだが、体圧が分散して浮いているような不思議な感覚。まるで空気の上に乗っかっているような浮遊感だ。あまりの心地よさにずっとゴロゴロと身を横たえていたいところだった。次に本体の設置に取りかかる。

空気をマットに送り込む本体は標準的な空気清浄機くらいのサイズ。これまでにないアイテムなので、装着方法を詳しくみていきたい。まずは、本体に調節ユニットを、エアマットにダクトユニットを差し込み、この二つのパーツを接続する。調節ユニットは伸縮範囲が広いので、使用するうえでベッドの高さに制約されることはないだろう。

本体はベッドの逆側に40cm以上の隙間を空ける必要がある。接続する口は下側だけでなく左右にもあるので、もしベッドと壁の間に余裕がないという場合は横に取り付けるとよいだろう。

本体とマットの接続はこれで終了……ではなく、最後にマットと本体をUSBケーブルでつなぐ必要がある。これはマットに備わったセンサが本体に温度と湿度をリアルタイムで伝えるためだ。記者は、ケーブルが製品の箱に見当たらずしばらく探してしまったが、エアマットの下に収納されている。あとは電源ケーブルを接続すれば準備完了だ。

目覚めて効果を実感 快眠以外のメリットも

新しいカテゴリの製品ということで、設定が難しいのではと身構えたが、「睡眠ケア」で設定するのは時間と温度の二つだけ。時間は就寝時間と起床時間、温度は7段階の温度と3段階の送風パワーを指定する。あとは「睡眠ケア」のボタンを押せば、もうこちらから操作することはない。10分間の予熱が済めば、あとはベッドにもぐりこむだけ。目が覚めるまで、エアマットのセンサと本体が連動して、自動で快適な睡眠環境を整えてくれる。

以下、使用初日と2週間使い続けての感想を述べたい。使用初日。5月中旬ともなれば、標準温度の設定は暑いかとも思ったが、エアマットの通気性がよいからか、寝苦しくはない。冬は電気カーペットを敷いて寝ている記者だが、それとは少し違う感覚。蒸していない岩盤浴という表現で伝わるだろうか。正直、初日から「快眠効果があった」とは断言できないが、これまでより寝心地がよくなったのは間違いない。

使用から2週間すると、じわじわと「ふとんコンディショナー」の効果を実感してきた。例えば、睡眠不足が続いた週の真ん中。週末までだるさが抜けないことがよくあったが、これが1日おきにしっかりとリセットされている。

また、寝つきもさることながら、個人的に効果てきめんだったのが「目覚めの爽快さ」。起床時間に合わせて徐々に寝床内の温度が上がるので、目が覚めたときには自然と体がオンに切り替わっているのだ。けたたましく鳴り響く目覚まし時計で不快な思いをしながら、嫌々ベッドを出ることがなくなった。

「ふとんコンディショナー」でできるのは睡眠ケアだけではない。もう一つ、寝具ケアモードが備わっている。これは、50℃以上の温風とホメスタイオンというレイコップがふとんクリーナーでも採用している技術で、除菌・除湿・脱臭・ダニ対策ができるというもの。睡眠ケアのおまけとはとてもいえない、すぐれた機能だ。

手間がかからない点も大きい。ふとん乾燥機などは、使用のたびに収納場所から引っ張り出して、セッティングして、と工数がかかるが、「ふとんコンディショナー」は常にセッティングしてあるので、ボタンを押すだけ。これなら面倒くさがりでも定期的にケアができる。「よく眠れるらしい」という気持ちで検証した「ふとんコンディショナー」。寝坊防止に、寝具の衛生管理に、予期せぬメリットが盛りだくさんだった。(BCN・大蔵 大輔)