名作ミュージカル『ピーターパン』の中でも、とりわけ人気の高いキャラクター・フック船長。38年目を迎える今年、そのフック船長役に抜擢されたのが、DA PUMPのヴォーカリストであり、近年では舞台出演にも意欲的なISSAだ。

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舞台に立つことは「楽しみでしかない」と語るISSA。中でも彼を奮い立たせるのが、ちょっと変わった、非現実的な役どころだ。「この面白い役がどうすればより面白くなるのか。それを考えるのがまずはすごく楽しいですね。だから今回フック船長役にお声がけいただけたことは、単純に嬉しくて。ちょうど『ロッキー・ホラー・ショー』(2017年)をやっていた時で、共演者の古田(新太)の兄さんやROLLYさん、武田真治さんも皆フック経験者。そんな先輩たちの歴史に泥を塗らないよう、そして自分が呼ばれた意味をちゃんと提示出来るよう、新しいフックをつくっていけたらと思います」

この取材の直前に行われていたのが、チラシ用のビジュアル撮影。フック船長になった自らの姿を見てISSAは…。「なんか面白いぞ、意外とイケてるぞって思いましたね。自分の中での最低ラインは見えたというか。これまでイメージしていたそれぞれのパーツが、ある枠におさまって、ビジュアル的にはひとつのキャラクターとして出来上がった感じ。あとはここから密度を上げていって、よりよいものにしていけたらなと。ただ強くて傲慢なだけじゃない、怖かったり、孤独だったり、コミカルだったり…。ちょっと妖艶でつかみどころのない感じになれば、それが自分らしいフックになる気がします。…って自らハードルを上げていますが(笑)、そうやって突き進んでいく方が自分には性に合っているんです」

ISSAの話にもあったように、これまで数々の個性派俳優によって演じられてきたフック船長。その中でも今回のISSAは、“最も歌えて、最も踊れる”フック船長として期待されている。「やっぱり自分にお声がけいただいた理由っていうのは、そういうところにあると思うんです。だからその期待にはしっかり応えていきたいなと。特に役によって声の色が変わるのは、自分の面白い武器。フックならこんな感じっていうのは、きっと今回もやりながら掴めていくでしょうし、それは自分自身すごく楽しみで。ヴォーカリストとしての経験を生かしつつ、その声色をしっかりとフックの体のいち部分にしていく。そして完璧な歌声、ダンスをお客さまにお届けすることが、僕の定めだと思っています」

青山メインランドファンタジースペシャル ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』は、7月21日(土)から8月1日(水)まで東京・東京国際フォーラム ホールCにて。その後、大阪、金沢、名古屋でも上演する。チケットは現在発売中。

取材・文:野上瑠美子