NetflixがKDDIが提携を発表。スマホを接点にした新規顧客の獲得を目指す

急成長を遂げている定額制動画配信サービス(SVOD)の主戦場がスマートフォン(スマホ)に移行しつつある。世界最大のSVODサービスであるNetflixは5月29日にKDDIと提携し、通信料金とコンテンツの利用料金をセットにした「auフラットプラン 25 Netflixパック」を提供すると発表。スマホを接点に新規顧客の開拓を目指す方針を示した。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングが2017年6月に発表した「オンライン動画配信サービスの動向整理」によると、有料動画配信の視聴端末で最も使われているのはPCで全体の約半数を占める。

しかし、世代別でみてみると20~40代はスマホが約3割と高い。大手キャリアが通信データの大容量プランを割安に提供し始めたこともあり、「スマホで配信動画を視聴する」ことに対する抵抗感もなくなりつつあるようだ。

NTTドコモが運営する「dTV」は、今年の1月に専門チャンネル配信サービス「dTVチャンネル」を開始したが、このサービスもターゲットはスマホだ。専門チャンネルといえば専用チューナーを通じてテレビで視聴するのが一般的。スマホによる視聴は制約が多く、あくまでおまけに過ぎなかったが、「dTVチャンネル」はスマホに特化させることで、空白地帯を埋めた。

スマホの重視はSVODだけにとどまらない。15年10月からサービスを開始した民放8局が地上波の番組を配信する「TVer(ティーバー)」は17年12月にダウンロード数1000万人を突破した。4月には大手メディア6社が類似サービス「Paravi(パラビ)」を開始。独自のコンテンツを武器に支持を拡大させつつある。

世界中に1億2500万人以上の会員をもつNetflixだが、実は日本では苦戦を強いられている。調査会社GEM Partnersの調べによると、17年のSVOD市場におけるシェアは7.1%で5位。通信事業者や放送局がSVODを運営する独自の市場構造を攻めあぐねているのが現状だ。KDDIとの提携は、日本ならではの攻め手を探る意味合いもあるだろう。

GEM Partnersは動画配信市場の規模は22年まで年平均7.2%で成長し、2594億円に達すると試算している。これは17年の1383億円の約2倍だ。伸びしろを考えれば、まだまだシェアの奪い合いは始まったばかりといえそうだ。(BCN・大蔵 大輔)

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