「住まいのインテリアで一番重視していること」の1位は「居心地の良さ」だった

ダイキン工業は3月30日、デザインと機能性を両立したルームエアコン「risora(リソラ)」を発売した。機能だけではなくデザインにも力を入れる白物家電が増えるなか、エアコンだけが基本的に「白」しか選べず、デザインが後回しになっている風潮に一石を投じる新シリーズだ。

「理想の空間のためのエアコン選び」を提案

「risora」は、「理想の空間の一部になり、心地よさを届ける」をコンセプトに、インテリアになじむ形状、素材の質感、木目やツヤ、織目など、高級感ある多彩なパネルカラーなど、デザインにこだわった。ラインアップは容量2.2kW~7.1kWの8機種、本体の税別実勢価格は13万円前後~28万円前後という中級機ながら、最上位機種と同等の機能を搭載し、エアコンの風を体に直接感じにくい独自の気流制御、冷房除湿制御など、基本性能も高い。

カラーは、大手家電量販店・住宅設備向けがラインホワイト、グレイッシュブラウンメタリックの2色、住宅設備向け(受注生産パネルタイプ)がファブリックホワイト、ブラックウッド、ツイルゴールド、ソライロ、フォレストグリーンの5色の計7色。ダイキンは住設ルートに強く、新築マンションのオプション会でカーテンを選び、それに合わせた「risora」のパネルカラーを選ぶといったトータルコーディネイトが可能になる。

調査会社のマーシュが20代~60代の男女500名を対象にインターネット上で実施した「家電の満足度に関する調査(2018年2月)」によると、「住まいのインテリアや空間づくりで一番重視していること」は「落ち着き(居心地)」が54.8%で最も多く、「シンプルさ・ミニマルさ」が20.4%で続いた。

「流行・デザイン」よりも「居心地の良さ」や「シンプルさ」を重視する、自宅の室内空間のすべてにこだわり、不快に感じるものは目に入れたくない――。今回の調査結果から、こうしたニーズが浮き彫りになる。

確かに本体サイズの大きいエアコンは室内空間で存在感があり、色が付くとイメージはがらっと変わる。「risora」が示した、「理想の空間のためのエアコン選び」という新たな選択基準が受け入れられるのか、他社メーカーの動向も含めて注目したい。(BCN・嵯峨野 芙美)