フィリップスの電気シェーバー、ボディグルーマー、フェイスストリングキットを試してみた

夏に七分丈のズボンをはいていると「すね毛、意外と濃いですね」と心ない言葉が飛ぶ。花粉のシーズンは、週に1回は同僚にひょこんと飛び出した鼻毛を指摘される。思えば記者は、年中、元気すぎる毛に苦しめられ、その処理に追われている。 もうこの不毛な時間から逃れたい……そんな思いでかき集めたのが、フィリップスのメンズグルーミング製品だ。試したのは、電気シェーバー、ボディグルーマー、フェイススタイリングキットの3点。毛に悩む世の男性諸氏に代わって、記者が本気で実力を検証した。

やさしさだけじゃない 剃れるエリアに死角のない回転式

まずは、男の身だしなみの基本といえるヒゲ剃りから。今回、チョイスした電気シェーバーは、アクアマリンの爽やかなカラーが印象的な「7000シリーズ(S7310/26)」だ。フィリップスの電気シェーバーの特徴は、ブレード部分が回転式になっていること。初めて見た人だと「どうやって剃るんだ」と疑問に思うかもしれないので、仕組みを説明しておこう。

ヘッド部分の3枚の円形ユニットは、中にそれぞれ2枚のブレードが搭載されており、これが電源を入れると回転する。ヘッドは5方向に可動するので、顔の輪郭に沿ってシェーバーを滑らせればよい。すると、ヘッドの中の外側と内側の刃がヒゲを挟んで剃り上げてくれる。

クリームを顔に塗り、さっそくシェーバーを顔にあててみた。事前の情報で「力を入れる必要はない」と聞いていたので、なでるくらいの気持ちでやさしくシェーバーを滑らせていく。ヒゲが濃い部分に差しかかると、あまり感触はないが、チリチリとヒゲにあたっている音がする。

使っていて感心したのは、剃るエリアの死角がないことだ。鼻の下や唇の縁など、直線的なT字カミソリではうまく剃れない。それが回転式だと縁に沿ってうまくなぞることができたのだ。これまで苦労していたエリアが難なく剃れるので、全体にかかる時間も短縮できた。

約3分程度、シェービングして顔を洗い流す。短時間だったが、剃り残しはほとんどない。記者がいつも苦労していた唇の真下もうまく剃ることができている。ヒゲを剃ったあとはしばらく肌に赤みがでてしまう肌質なのだが、本当になでるくらいの強さだったので、ほとんど影響はなかった。

また、数日間使用してだんだんコツをつかんできたのだが、シェーバーをぐるぐると円を描くように滑らせるとより効率的に全体を剃ることができた。ついケアを忘れがちな首にかかるラインまでワンアクションでカバーできてしまう。剃り心地にも満足したが、記者はこの時間と労力のかからなさが最もポイントが高かった。これなら時間がない朝の身支度で、ヒゲ剃りがおざなりになることは減りそうだ。

長さは2段階で調整可能 あっという間に剃りあがる「BG1022/16」

次に試したのが、とくに個人的に気になっている体毛の処理だ。記者はすね毛が濃いのが昔からのコンプレックス。うまく毛の量と長さを整えてくれるアイテムは意外と少ない。つるつるにしたいわけじゃなく、人に毛を見られて「濃ゆッ!」と思われなければそれでいいのだ。

ボディグルーマー「BG1022/16」で注目したいのは、揃える毛の長さを3mmと0.5mmで調整できることだ。使用者のちょうどよいに合わせられるだけでなく、例えば「すね毛は長めがいいけど、足の甲は短くしておきたい」などの細かい要望にまでこたえてくれる。

今回は左足を3mmで、右足を0.5mmで剃ってみた。剃り始めて、まずうれしかったのが剃れるエリアが広く、かつ剃り残しが少ないことだ。すね毛を剃ったことがある人なら分かると思うが、すね毛は癖が強くて、一度のストロークでは剃り切れないことがままある。それが「BG1022/16」だとほとんどない。膝小僧など丸みを帯びた部分だと毛が剃りづらく、かといって力を入れてしまうと肌が切れることがある。だが、このボディグルーマーだとスキンプロテクターがついているので、がしがし剃っても肌を傷つけることはない。

シェーバーと同様に、剃り具合だけでなく、肌にやさしく、ケアに時間がかからないところはポイントが高い。0.5mmは見た目にはつるっと仕上がり触ると少し短い毛の感触がある。3mmは毛がうっすら残り、自然な印象だった。このあたりは部位や好みによって使い分ければよさそうだ。

剃り具合とは関係ないが、付属品としてシャワーコードがあるのもありがたい。風呂場や洗面所にひっかけておけば、場所をとらないし、剃りたいと思ったときにすぐ手が届く。

あらゆる細かい毛に対応 常備しておきたい頼れる「NT5172/16」

最後に試すのは、鼻毛・耳毛・眉毛など細かいパーツの毛の処理だ。これにはフェイススタイリングキットの「NT5172/16」を使う。

使い方は至ってシンプル。鼻毛であれば鼻穴に、耳毛であれば耳穴に入れてブレードで縁をなぞっていけばいい。

なにより驚きなのは、痛みをまったく感じないことだ。鼻毛は手で抜くにしろ、ピンセットで抜くにしろ、思わず涙目になってしまう。うまく狙った毛が抜けないこともあり、非常にストレスがたまるが、「NT5172/16」は全体を手早く処理できるので、時間もかからない。眉毛もコームを先端に装着して毛の流れに沿ってスライドさせれば、均等に長さを整えることができる。

「NT5172/16」にはブレード部分を覆うカバーとキャリングポーチが付属しているので、持ち歩きにも便利だ。今回は試せなかったが、ヒゲスターラーも同梱しており、0.5mmと3mmでヒゲを整えることができる。カバーできる範囲が広いので、オフィスの自分の机に常設しておくのもよさそうだ。

検証結果→「やさしくて、早くて、しっかり剃れる」

以上、フィリップスのメンズグルーミングの3製品を検証してわかったのは「やさしくて、早くて、しっかり剃れる」ということだ。日常のルーティーンであるヒゲ剃りの時間を短縮できるし、そのほかのちょっと気合を入れないと剃れない部位も手軽に処理できた。これなら習慣化して、常にベストな状態をキープできそうだ。テクニックもほとんど必要ない。体毛の処理が初体験のユーザーなら「もっとはやく使っておけば……」と後悔するくらい簡単なので、記者と同じ悩みを男性諸氏はぜひ体験してみてほしい。(BCN・大蔵 大輔)