映画『るろうに剣心 京都大火編』『伝説の最期編』に出演した伊勢谷友介(C)和月伸宏/集英社 (C)2014「るろうに剣心 京都大火/伝説の最期」製作委員会

ふたつの刀を手に、凄まじい気迫を感じさせながら、それでも表情は一切崩すことなく疾走する。待望の続編で完結編となる『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最後編』に登場する、四乃森蒼紫。この蒼紫を演じているのが、話題作への出演が相次ぐ伊勢谷友介だ。

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流浪人・緋村剣心(佐藤健)を追う小太刀二刀流の使い手で、幕府の諜報部隊・隠密御庭番衆の最後の御頭。剣心を倒して最強の称号を得て、口封じのために消された仲間の無念を晴らすという執念に取り憑かれた修羅の男だ。原作でも人気のキャラクターである蒼紫にどう挑んだのか訊いてみると、「とにかくアクションが大変すぎて、覚えてないというのが正直なところなんです(笑)」という意外な答えが返ってきた。

半分は冗談で半分は本当だろう。映画を観れば分かるが、そこでは驚愕のアクションが展開されていて、伊勢谷は動き続けている。

「蒼紫は死んだ仲間に対して責任を背負いすぎていて、修羅と化している状態。内面的なものとしてはすごくシンプルでもあるので、僕自身もシンプルな状態でやらせていただきました。なにより役作りでやらなきゃいけなかったのは、殺陣。撮影では、この歳なのにひざに水が溜まりましたからね(笑)。翁と戦ったときに、翁を演じる田中泯さんがひざに水が溜まったとおっしゃっていて、大変だなと思ったんですが、剣心と戦ったら(『…伝説の最期編』)今度は自分がそうなってしまって。大変だったのは、蒼紫の必殺技の“回天剣舞”を1日で覚えたこと。“奥義って1日で覚えるのかい!”って冗談めかして言っていたんですが(笑)、身体に覚え込ませたうえで、お芝居的には気合を入れて繰り出しているようにしないといけなくて、そこは難しかったなっていう思い出があります」

振り返って、「芝居をした覚えがいまいちないんですよ」とも笑って見せる伊勢谷だが、アクションそのものが感情のドラマになっているのが蒼紫で、『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最後編』だ。まさに、熱演。静かだけれど高温で燃えている、蒼い炎のような伊勢谷演じる蒼紫の姿は、観客の記憶にはしっかり刻まれるはずだ。

取材・文:渡辺水央 撮影:源賀津己

『るろうに剣心 京都大火編』
8月1日(金)丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー他全国ロードショー

『るろうに剣心 伝説の最期編』
9月13日(土)丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー他全国ロードショー