細かい配慮はされているか?

GALAXY Tab Sの両モデルとも、マルチウインドウをサポートしている。これは、画面を2分割して、違うタスクを実行させることが可能で、発表会では、メールアプリとマップアプリを同時に立ち上げたところ、メール本文に書かれた住所を読み取り、これをマップアプリに転送してその所在地を映し出すというパフォーマンスをやってのけた。その際の動作も非常になめらかであった。

またメインボタン(ホームボタンなど)にバイブレーションが付いていたのも好感が持てる。さすがにタッチパネルにバイブレーション機能は無いが、押す頻度の高いこれら3つのボタンに「確かに押した」と証せる振動が指に伝わるのは、非常に理にかなっている。

またメインボタンが、10.5インチモデルは画面を横に持ったときに下に来るように、8.4インチモデルは画面を縦に持ったときに下に来るように設置されており、設計上の配慮を感じた。(ただしSONY Xperia Z2 Tabletも同様の配置であるので、まったくの新発想・独自設計ではない)
 

考えられる改善点は?

それではGALAXY Tab Sに死角はないのであろうか。残念ながら死角はある。まず機能面でサムスン担当者が売りにしていた、自分の持っているスマートフォンの画面を連動してGALAXY Tab Sに映し出し操作もできる機能「Side Sync」だ。

家に帰って充電器という固定されたドッグにスマートフォンを挿さないと、翌朝まで電池が保たず、充電器から外せない(家の中で自由に持ち歩けない)宿命をもっているスマートフォンを、簡単にタブレットから遠隔操作できるようにする画期的機能(GALAXY Tab Sの画面から電話を掛けることもできる)である。

ただ惜しむべきところは、対応するスマートフォンが同社製のGALAXYシリーズの一部に限られること。つまり、他社のスマートフォンを持っているユーザーは、この「Side Sync」機能の恩恵を被ることはできない。是非ここはAndroid搭載の他メーカースマートフォンへの対応を強く希望したい。

また、操作性もすでに発売されているGALAXYスマートフォンを強く意識しすぎていると感じた。すでに同社製スマートフォンのユーザーであれば直感的に操作できようが、他社のスマートフォンを使用しているユーザーからみれば、直感的に次の操作が思い浮かばないところがある。

いわゆるSAMSUNG独特な操作方法が残り、Androidの標準的な操作方法でないところを垣間見える点も、改善点としてあげたい。汎用的操作性という点では、Nexus7やXperia Z2 Tabletに分がある。