わらべうたを知っていますか?

赤ちゃんのぷにぷにした足に触れながら、「いっぽんばーし、こーちょこちょ」と歌ってあげるわらべうたなら、もしかしてどこかで聞いたことがある人もいるかもしれませんね。

必要なのは、自分の声と体だけ。うまく歌う必要はなく、少ない音で、自分の出せる声で、子どもに愛情を伝えることのできるわらべうた、知っていたら、少しだけ子育てが楽になるかもしれません。

わらべうたを取り入れた保育を50年以上続けている、東京都調布市の二葉くすのき保育園に、お話を伺ってきました。

生活から消えゆくわらべうた

「○○ちゃん、あーそーぼ!」

一昔前までは、戸外から聞こえてきたこんな声、これもわらべうたの一つなのだそうです。が、こうした声も、路地から消えて久しい気がします。

子育ての場でも、現代は、スマホのアプリや、音の出るおもちゃなど、わらべうたの代わりになるツールがあったり、核家族のため、上の代からの風習が途絶えたりして、わらべうたはあまり聞こえてきません。

ですが、どんなにテクノロジーが進化しても、赤ちゃんに触れる手のぬくもりや優しい肉声に代わるツールなどないのではないでしょうか。

わらべうたというと、ひと昔の子育てツールというイメージを持つ方もいるかもしれませんが、今でも保育の現場で歌われ、伝え続けられている、古くて新しいスキンシップのツールなのです。

自分の体の中にある音

「わらべうたは、音域がせまく、子どもの未熟な声帯をいためることなく歌うことができます」

と話すのは、二葉くすのき保育園の保育士である酒井さん。

歌唱というより、ささやきや語り、唱えに近い発声で、うまく歌う必要はまったくないそうです。歌というより「うた」に近いのでしょう。

わらべうたに使われる音は多くて5音。2音だけで成り立つものもあります。その響きの根にあるのは、声の高い人にも低い人にも共通する「自分の体の中にある音」なのだそうです。

歌というと、どうしても私たちはかしこまって、上手に歌わねば、と思ってしまいがちですよね。ですが、わらべうたでは、出すべき音は自分の中にあると考えます。

赤ちゃんが相手だったら、目の前の赤ちゃんに届けばいいのです。そう思えたら、自然と声の調子はやわらかく、声量も抑え目になっていくのではないでしょうか。

実際に、酒井さんに歌ってもらったのですが、とても小さな声量で、ささやくような、唱えるようなうたで、自分が赤ちゃんだったら、眠くなってしまうような心地よさでした。

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