ジェイソン・ステイサムの声を演じてきた俳優の山路和弘

ジェイソン・ステイサムが主演を、シルベスター・スタローンが製作と脚本を務める映画『バトルフロント』が9日(土)から日本で公開になる。休むことなく作品に出演し続け、多くのファンをもつステイサムだが、真の魅力は一体、どこにあるのか? 数々の日本語吹替版でステイサムの声を演じてきた山路和弘にステイサムの魅力を聞いた。

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『バトルフロント』は、麻薬潜入捜査官の過去を捨て、愛する娘と穏やかに暮らすために田舎町に引っ越してきたフィルが、娘が学校で小さなトラブルを起こしたことを機に地元を牛耳る麻薬密売人ゲイターと壮絶なバトルを繰り広げる様を描くアクション作。

俳優として舞台、映画で活躍し、アニメーションや外国映画でも多くの声を務めてきた山路は本作でも、パッケージの日本語版のフィルの声を演じる予定だ。彼はアル・パチーノ、ゲイリー・オールドマン、ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウなど名だたる俳優たちの声を演じているが「他の俳優さんと比較してステイサムが一番、自分に近い声ですし、“作る”ことなく、感情の動きにあわせて自然に演じることができる俳優なんです」と語る。

そんなステイサムの魅力は“観客の期待に応えつつ、その予想を裏切る”役どころを演じていることだ。山路は「ステイサム自身が決めているのか、周囲の声なのかわからないですけど、周囲が様々なことをやらせてみたくなるような“素材”を持っている人だと思う」と分析し「とてもうらやましい素材ですよね。笑えば可愛いし、眼は色っぽいし……特異なんだけど、カッコいいんだよね。変に作ったりすることもないし、そういう必要がない人なんじゃないかと思う。だから、声を演じる上では“定型”もないですし、自分でも色んな役をやったという気がしないんですね。だから無理もしないし、演じていても役について考えるだけの余裕があるんです」。

さらにステイサムは作品によって様々な役どころを演じており、本作では娘を愛する父を演じている。「やはり父親だから穏やかな表情ですよね。もし、この役をスタローンが演じたらもっとわかりやすい役になっていたと思うんです。でもステイサムが演じることで次に何が起こるか予測がつかない展開になっていますし、これまでのステイサムが演じてきた役とも違うと思います。僕は何よりもステイサムの“素材”に魅力を感じるんです。この人は“演じ方”はそんなに何パターンもあるわけじゃないけど、この人が“できること”は山のようにあると思うんです。それがステイサムの魅力の根っこにあるし、演じる上では器用ではないけど、他のこともたくさんできることで様々な役ができてしまう。こんな俳優は他にはいないと思いますし、その魅力はこの映画でも発揮されていると思います」

ちなみに山路は6月に公開された『ハミングバード』のパッケージ版でもステイサムの声を演じる予定だ。

『バトルフロント』
8月9日(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー