写真左より、原博実日本サッカー協会専務理事兼技術委員長、ハビエル・アギーレ日本代表監督、大仁邦彌日本サッカー協会会長 写真左より、原博実日本サッカー協会専務理事兼技術委員長、ハビエル・アギーレ日本代表監督、大仁邦彌日本サッカー協会会長

8月11日、サッカー日本代表新監督来日記者会見が行われた。母国・メキシコ代表を『W杯』で2度、ベスト16に導いたハビエル・アギーレ監督は、壇上でシンプルなメッセージを送った。

「テーマはコンプロミソ(責任を果たすという意)。私のサッカー哲学は非常にシンプルだ。とにかくたくさん走る。いいプレーをする。そして勝利する」。そのためには選手たちは「国を代表して、国を背負って戦うことを肝に銘じなければならない」。だからこそ、選手の選考基準は「とにかく将来性のある選手を呼びたい。代表に入ることに意欲的な選手、国を背負って戦う気持ちのある選手、個人のプレーではなくチームとしてプレーし、試合に貢献できる選手を選びたい」となる。

欧州組が大半を占める日本代表メンバーだが、メキシコ人指揮官は国内での試合でも調整不足は認めない。「長旅で疲れたから試合に負けたとか、コンディションが整わないなど、言い訳にすべきではない。選手はプロであり、年間60試合くらいこなしている。飛行機での過ごし方を知っているはずだ。長距離移動は障害にはならない」とキッパリ。

『W杯』では、「自分たちのサッカー」という言葉が独り歩きしたが、アギーレ監督は「守備を固めて戦う。私は固い守備をベースにチームを作りたい」と語った。ボールポゼッションにこだわった攻撃サッカーを標榜したザッケローニ前監督から180度の方向転換と思うのは早計である。新監督も前任者がよく口にした「バランス」を重視する。「試合中のバランスの取り方に力を入れたい」。ゆえに、選手たちには攻守両方での貢献を求めるのだ。

「(理想とするDFは)バランスが取れた選手。攻守両方をこなせる選手が必要だ。特にボールを奪うことが重要。その奪ったボールを的確に前へ運ばなければならない。4~5人のDFだけが守ることは望まない。FWにもMFにも同じことを求めたい。GKもFWも含めた11人全員が守って攻められるチームを目指す」

さらに新監督はシステムについても言及した。

「システムは試合の展開によって変化していくもの。DFは3人の時も、4人の時も、5人の時もある。シチュエーションに応じて、4-3-3から5-2-3に変化することもあるし、トップを2枚ではなく3枚にすることもあり得る。状況に応じてフレキシブルにシステムを使っていきたい。基本は4-3-3を考えているが、展開によっては3-4-3になったりもする」

アギーレ監督は初陣となる9月5日(金)・ウルグアイ戦・札幌ドーム、続く9月9日(火)・ベネズエラ戦・横浜国際総合競技場に臨むことになる。年内の6試合を戦い、2015年1月に開催される『アジアカップ』に向けて、チームを作っていく。シンプルなメッセージを発したメキシコ人指揮官は、まず現有戦力の見極めに入る。8月13日(水)午前10時より、チケット再販売あり。