仕事人間の市民課長・渡辺勘治が、胃がんを患ったことを機に、自らの人生を見つめ直していく黒澤明監督の傑作『生きる』。その初ミュージカル化が決定し、市原隼人が渡辺の息子・光男役でミュージカル初出演を果たす。

【チケット情報はこちら】

20代前半、ブロードウェイでミュージカルに興味をもちつつも、自らにはむかないとこれまでオファーを断ってきたという市原。今回そんな彼の背中を押したのが…。「30歳を超えたころ、自分が守りに入ったなと感じる瞬間があったんです。その時、すごく悔しくて、寂しくて、自分は何をやっているんだろうと。そこからもっと何かを掴みにいきたいという欲が出てきて。ただ実を言うと、これも1度はお断りしているんです。でも“俺また守りに入った!”と気づいて、追いかけるようにやることを決めました」

その初ミュージカル作品が『生きる』であったことは、「素直に嬉しい」と市原は顔をほころばせる。「内容とは反するかもしれませんが、僕は見ていてとても興奮するんですよね。すべての人物が生き生きとしていて、映る世界がすべて楽しそうで、どの場面を見ても生活感や人間味が溢れんばかり。さらに一生懸命愛情を込めて息子を育て、その幸せを大切にし続けた父の想いが、胸の奥まで突き刺さってきて…。さらに今回はミュージカルということで、メロディという表現方法がより人の感情を動かすのだと、事前のワークショップを通して学びました」

光男の父・勘治をWキャストで演じるのは、市村正親と鹿賀丈史のふたり。「それぞれ違う生き方をしてこられた方々だというのはすぐに感じられましたし、きっと出来上がる舞台もまったく違うものになると思います。ただ根本にあるものはおふたりとも同じで、ずっと何かを大事にし続ける、守り続けるものがあって、しかもその守り方がとても優しい。あと市村さんはとにかく楽しい方です。気がついたら市村ワールドに引き込まれていて、ずっと居たくなるほど(笑)。鹿賀さんは言葉は少ないですが、現場のすべてを見られている、とても真摯な方という印象です」

市原にとってターニングポイントになりそうな舞台だが、観る者にとっても忘れられない感動の1作となりそうだ。「老若男女問わず、気軽に楽しめる舞台だと思います。それでありながら、生きることがより楽しく、より深くなる舞台。この機会を逃すのは本当にもったいないと思いますので、ぜひ劇場に遊びにいらしてください」

ミュージカル「生きる」は10月8日(月・祝) から28(日)まで、東京・TBS赤坂ACTシアターにて。チケットの一般発売は6月9日(土)午前10時より。なお、現在、プリセールを実施中。受付は6月8日(金)午後11時59分まで。

取材・文:野上瑠美子

「ウレぴあ総研」更新情報が受け取れます