米商務省は発表文で「過去最も厳しい」罰則であることを強調

米商務省は米国時間の6月7日、中国の大手通信機器メーカーZTEが、10億ドル(約1100億円)の制裁金などを求める新たな罰則に同意したことを発表した。罰則の履行と引き替えに、ZTEと米国企業との取引を禁じる措置を10年間猶予する。米国製部材の調達ができず中断していたZTEの事業が、再開に向けて動き出した。

米商務省とZTEの新たな合意内容では、10億ドルの制裁金の支払いに加え、取締役に相当する役員全員の交代などを含む経営陣の総入れ替えが求められている。同社と米国企業の取引禁止命令は「解除」ではなくあくまで「猶予」の状態で、猶予期間中に追加の違反が発覚した場合、その時点で10年間の取引禁止が命令される。また、取引再開に先立って4億ドルの預託が必要とされており、違反時にはこれも没収となる。

米商務省の産業安全保障局は、米国がイランへの禁輸対象としている通信機器を、ZTEが不正に輸出していたとして、同社に制裁金の支払いと関係者の処分を命じていた。ZTEは2017年3月にこの措置に合意し、すでに約8億9200万ドルを支払ったが、関係者には実際には賞与を満額支給しており、米当局に虚偽の報告をしていた。このため、産業安全保障局は今年4月、米国企業とZTEとの取引を向こう7年間にわたって禁じる命令を下した。

今回の10億ドルは、ZTEがすでに支払い済みの制裁金とは別に課されており、預託金を含めた総額は約22億9000万ドル(約2500億円)となる。新たな違反時の取引禁止期間も、従来の7年から10年へと拡大されている。また、ZTEは今後10年間、産業安全保障局が選ぶコンプライアンスの専門チームによる、輸出管理法遵守についての常時監視を受け入れる必要がある。これらは、同局による企業への罰則としてはこれまでで最も厳しい内容だという。

ZTEの不正輸出に関しては、米国と対立する国への技術流出、知的所有権侵害のおそれや、中国の国有系企業が米国に食い込むことへの危機感から、議会では安全保障上の脅威として制裁緩和に反対する声があがっていたが、トランプ政権は過去最大級の制裁と引き替えに、米国企業にも影響の大きいZTEの事業運営を認めた格好となる。(BCN・日高 彰)

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