『LUCY/ルーシー』 (C)2014 Universal Pictures

スカーレット・ヨハンソンがリュック・ベッソン監督とタッグを組んだアクション大作『LUCY』が29日(金)から公開される。本作はスタイリッシュなアクションシーンがふんだんに登場するが、物語の中心には“もし、人間の脳が100パーセント覚醒したらどうなるのか?”という壮大なテーマが描かれている。人が人の能力を超えるとき、どんなことが起こるのだろうか?

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本作の主人公のルーシーはごく普通の女性だったが、マフィアの闇取引に巻き込まれ、体内に新種のドラッグが入った袋を埋め込まれてしまう。やがて体内でドラッグが漏れだしたことからルーシーの脳は覚醒。通常は10パーセントほどしか機能していない脳が100パーセント覚醒したことで、彼女は驚異的なスピードで進化を遂げ、眼には見えない電波さえも制御する能力を得る。

本作の構想はベッソン監督が約10年に渡って温め続けたもので、監督は「何人かの科学者と会ったけど、癌について、細胞について、それから何100いや何10億もの細胞がいかに互いに交信し合っているかについて等々…、彼らから聞いた話は驚くべきものばかりだった。ひとつひとつの細胞は、どうやら1秒間で1000ものシグナルを発信しているらしい。ウェブなんて比較にならないよ。そこで、現実と架空のちょうどいいバランスを見つけるのに、数年かかってしまった」と振り返る。

劇中に登場するルーシーの驚異的な能力は、最新のVFX技術でスクリーンに描かれているが、監督の“完全な空想”ではない。フランス脳・脊柱研究所(ICM)の共同設立者でもある神経科医のイヴ・アジドは「この映画の好きなところはまさに、現実に基づいた事実が含まれているという点だ」と言い、ベッソン監督は「このストーリーは僕の頭の中で考えたものだけど、会話した何人かの医者によると、全く非論理的なものでもないそうだ。ある地点に到達し、脳の能力を拡張できるようになれば、脳の20パーセントアクセスできたら30パーセントもアクセスできるようになるらしい。ルーシーも同じように、自分の脳を覚醒し続けてしまう。本当はそうしたくないけど、止めることができない。そして、そんな状況をどうしていいかわからなくなるのさ」と解説する。

劇中ではモーガン・フリーマン演じる学者がルーシーと連絡をとり、覚醒し続ける彼女をサポートすが、彼は人間の脳が100パーセント覚醒することについて「想像もつかない」と語る。しかし劇中で“それ”は起こる。映画のクライマックスで脳が完全に覚醒したルーシーはどうなってしまうのか? 迫り来る敵とのバトルと並行して描かれるルーシーの行方にも注目だ。

『LUCY/ルーシー』
8月29日(金) TOHOシネマズ 日本橋ほか全国ロードショー