早霧せいな、咲妃みゆ  撮影:本房哲司 早霧せいな、咲妃みゆ  撮影:本房哲司

9月1日付で雪組の新トップコンビに就任する早霧せいなと咲妃みゆ。そのお披露目公演『伯爵令嬢-ジュ・テーム、きみを愛さずにはいられない-』が、10月に日生劇場で上演される。

宝塚歌劇雪組『伯爵令嬢』チケット情報

原作は、細川智栄子あんど芙~みんの同名の人気漫画で、19世紀末のパリを舞台に、公爵家の子息で若き新聞王のアランと、孤児院育ちの天真爛漫な少女コリンヌが、いくつもの壁を乗り越えて結ばれるまでを描く。

正義感が強く、時には強引な手も使うアランを演じる早霧は、「これまでにないタイプの役で、私の中でひと波乱ありそうな手強さを感じる」と言う。「でもだからこそ、役作りの過程は面白いでしょうし、苦労した分、愛着も湧くと思います。男役としての魅力をどれだけお見せできるか、挑戦の場でもありますね」。

既に制作発表のパフォーマンスから、愛らしいコリンヌになりきっていた咲妃は、「まずは原作に基づいて、役作りを深めて行きたい」と語る。「未熟ながら、一役者として役に向き合っていきたいですし、コリンヌは素晴らしい女の子なので、私自身、演じるに当たって彼女を一番理解していたいと思います」。

ベル・エポックと呼ばれた美しき時代のパリが舞台ということで、衣裳や装置などビジュアル面も、宝塚ならではの豪華なものになりそうだ。またフィナーレでは、パリのレビューを思わせるフレンチカンカンなども披露される予定だという。「まさに宝塚の魅力がふんだんに盛り込まれた作品になるのではないでしょうか。隣の東京宝塚劇場では、ちょうど花組が『エリザベート』を公演中なので、まったく違うふたつの宝塚を日比谷でご覧いただけるいい機会になると思います」と早霧。咲妃は、「宝塚ではアランのちぎさん(早霧)を主体とした物語になるので、それも楽しみです」と期待を寄せる。

“芝居の雪組”を引き継ぐコンビにふさわしく、卓越した演技力、舞台姿の美しさで観る者を魅了するふたり。早霧が、「私たちにこういう作品を演って欲しいとか、雪組でこれを観たいと思っていただけるように、ずっと先を見つめながら、お互い努力していこうね」と言えば、咲妃は「雪組の一員として、ちぎさんが目指される方向を向いて、全力でついていきたいです」と応じる。早くも息はピッタリだ。

公演は10月11日(土)から31日(金)まで、東京・日生劇場にて上演、チケットは8月30日(土)より一般発売開始。

取材・文:原田順子