庵野秀明と鈴木敏夫氏

第27回東京国際映画祭の記者会見が26日に東京・六本木アカデミーヒルズ49階で行われ、本年度の目玉企画である特集上映『庵野秀明の世界』の概要が明らかになった。学生時代の自主作品から最新作『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』まで、全編・抜粋を含めて計42タイトルを上映。会見には庵野監督と、今回の企画を発案したスタジオジブリの鈴木敏夫氏が来場し「いろいろお世話になっているので、断りにくい(笑)」(庵野監督)、「これからの日本のアニメは、庵野がけん引していく」(鈴木氏)と語った。

その他の画像

監督を務めたアニメ作品に加えて、原画を担当した『超時空要塞マクロス』(1982)、『風の谷のナウシカ』(1984)、『火垂るの墓』(1988)、実写作品に挑んだ『ラブ&ポップ』(1998)、『式日』(2000)、『キューティーハニー』(2004)、三鷹の森ジブリ美術館の展示用に製作した短編などバラエティに富んだラインナップに、庵野監督は「それにしても、いろんなことをやってますね」。今回を機に、過去に作品を見直したといい、「恥ずかしいですけど、根っこの部分は変わっていない。結構おもしろいものを作ってきたなと再発見した」と思いをめぐらせた。

会見には昨年度から同映画祭のディレクター・ジェネラルを務める椎名保氏が出席し、「作品重視の映画祭がコンセプト。国内外のクリエーターが出品し、評価とビジネス的成功を勝ち取ることで、(映画祭の)ブランド力が上がり、より良質な作品が映画祭にやって来るという好循環を生み出したい」と意気込みを語った。また、若い世代に映画祭の魅力を伝える『フェスティバル・ナビゲーター』に岡本あずさ、ハリー杉山が起用されることも発表された。

オープニング作品はウォルト・ディズニーの最新作『ベイマックス』(12月20日公開)。クロージング作品には山崎貴監督の最新作『寄生獣』(11月29日公開)が選ばれた。両作品ともワールドプレミア上映で、期間中に『ベイマックス』の製作総指揮であるジョン・ラセターの来日も決定した。

第27回東京国際映画祭
10月23日(木)から31日(金)まで
会場:六本木ヒルズ(港区)、TOHOシネマズ 日本橋(中央区)ほか

取材・文・写真:内田 涼