柏木陽介(浦和レッズ) (c)J.LEAGUE PHOTOS 柏木陽介(浦和レッズ) (c)J.LEAGUE PHOTOS

片や首位、片や17位。8月30日(土)にキックオフを控えるさいたまダービーを「浦和レッズの勝利は固い」と見るのは、早計である。たとえ、大宮アルディージャがGW以来勝利から遠ざかっていても、直接対決で浦和が連勝し対戦成績を7勝5分7敗のイーブンに戻されていたとしても、だ。

8月30日(土)浦和レッズ対大宮アルディージャ J1リーグ戦 チケット情報

苦い思い出がある。2012年9月1日、浦和は原口元気が11分に先制し、18分には大宮のノヴァコヴィッチが退場となった。だが、前半アディショナルタイムに東慶悟が同点ゴールを決めると、そのままドロー。浦和のシュート17本に対し、大宮は2本と圧倒される展開ながら、勝ち点を分け合った。

この引き分けが大宮の快進撃に繋がった。2013年4月20日、前半アディショナルタイムにDF・那須大亮が負傷でピッチ外に出ている隙を突き、渡邉大剛のスピーディなクロスにズラタンが合わせ、先制した。試合は終始、浦和が押し込んだが、大宮守備陣もクロスを徹底的に弾き返し、得点を許さなかった。大宮はホームでJ1新記録となる18試合連続無敗を達成したのだった。

もちろん、当時と今とではチーム状況が異なる。大宮の快進撃を支えたベルデニック監督は無失点記録更新の4か月後にチームを去った。ベルデニック体制の堅守は見る影もなく、今季21試合で41失点を喫している。順位と同じく、ブービーの失点数である。

対する浦和も昨季から変貌を遂げた。昨年はリーグ最多の66得点をマークしながら、失点数は中位以下の56失点で6位に甘んじた。前節のFC東京戦では4-4の派手な打ち合いを演じたが、失点数はサガン鳥栖に次ぐ、2位である。GK・西川周作が加入し、浦和は「安い失点」が減るばかりではなく、絶体絶命のピンチを防ぎ、勝ち点を積み上げている。

かつて、柏木陽介が対大宮について「今までは残留争いをしていたのに、なんで自分たちと対戦する時だけ強いのかなという気持ちが正直ある」と口にしている。直近の2試合は4-0、2-0と完勝劇を見せたが、苦手意識を完全に払拭はできていないだろう。

大宮としてはやることが明白だ。浦和はボールを保持し、分厚い攻めを展開してくる。強固なブロックを敷くとともに、11人がハードワークを実践するしかない。我慢強く守りながら、1トップのムルジャ、ズラタン、家長昭博、泉澤仁の2列目で数少ないチャンスを決め切るだけだ。

浦和は引いて守る相手をどう崩すか。ここ5試合で3ゴールの興梠慎三、ここ3試合で2ゴールの梅崎司の決定力だけではなく、柏木が高精度なキックを放つセットプレーも貴重な得点源になる。

浦和が3連勝でさいたまダービーの潮目を変えるのか、絶対不利の大宮が時計の針を戻すのか。浦和レッズ×大宮アルディージャは8月30日(土)・埼玉スタジアム2002でキックオフ。チケット発売中。

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