『ジャージー・ボーイズ』(C)2014 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC ENTERTAINMENT

クリント・イーストウッド監督の最新作『ジャージー・ボーイズ』の本編映像の一部が公開になった。ニュージャージーの若者たちで結成された音楽グループ“ザ・フォー・シーズンズ”の成功と挫折を描いた作品で、劇中の音楽はイーストウッド監督のこだわりで、録音ではなく“生歌”で撮影されたという。

『ジャージー・ボーイズ』新映像

本作は、ブロードウェイでロングランを続けているミュージカルを題材にした作品。4人の若者が音楽グループ“ザ・フォー・シーズンズ”を結成し、栄光と挫折を経験するヒューマンドラマで実話が基になっている。“ザ・フォー・シーズンズ”は、1960年に結成され、3曲連続でビルボードチャート1位に輝くなど大成功をおさめた。劇中には『君の瞳に恋してる(Can't Take My Eyes Off You)』『シェリー(Sherry)』など彼らがおくりだしたヒット曲の数々が登場する。

このほど公開されたのは、フランキー・ヴァリらメンバーたちが電話ごしにプロデューサーに名曲『シェリー』を歌って聞かせる場面で、俳優たちが実際に歌って撮影が進められた。多くの音楽映画やミュージカルでは事前にレコーディングスタジオで音楽を録音し、そのトラックに合わせて歌っている“ふり”をして撮影が進められるが、イーストウッド監督は基になったミュージカルのキャストを多く出演させ、“生歌”で撮影を行った。監督は「彼らのほとんどが数えきれないほど生で歌った経験がある以上、そのほうが自然な流れだった。実際に歌うのを観て、聴くと、その素晴らしさがわかるし、感情の機微がよく分かるんだ」と言い、ヴァリ役のジョン・ロイド・ヤングは「僕は最初、カメラの前で生で歌うことが例外だと気づかなかった(笑)。あの伝説の監督が、僕らの目の前でうっとり聴き入っているのを見るのは最高だったな」と振り返る。

可能な限り撮り直しをせず、俳優の新鮮で“生々しい感情”を大事に切り取ってきたイーストウッド監督は、本作で俳優たちの“感情のこもった歌声”にこだわって撮影を進めたようだ。

『ジャージー・ボーイズ』
9月27日(土) 丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国ロードショー

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