子どもの時に読んでもらった絵本って、どこか教訓めいたものだったり、「明日もきっといいことがある」と信じられるような、幸せな気持ちになるものが多かった気がします。

しかし!この世には、たっぷりと皮肉が効いている、ブラック&シュールな絵本もたくさんあるってご存知ですか? 読んでいてイヤ~な気持ちになるのに、なぜか人々を惹きつけてやまない魔力を持っているのが特徴です。

今回は、思わずニヤリと笑ってしまう、ブラック&シュールすぎる絵本の魅力をお伝えしたいと思います。

きみはパンダの秘密を知りたいか!?

まずご紹介したいのは、第6回MOE絵本屋さん大賞2013で第6位も受賞した、ポップな色の魔術師tupera tuperaさんが描く『パンダ銭湯』(ブロンズ新社)という絵本です。

皆さんは、あの愛くるしいパンダたちが、大きな秘密を抱えていることをご存知ですか?
見ているだけで癒されるパンダですが、その可愛さを保つために、毎日●●をしたり、血のにじむような努力を重ねていることを知っていますか?

その秘密は、パンダ以外入店禁止の「パンダ銭湯」をのぞけばわかります!

パンダ銭湯は、一見普通の銭湯ですが、こだわりなんかも見え隠れしていて、備え付けのシャンプーは「スーパーワイルドシャンプー」、脱衣所にはえいようまんてん「竹林牛乳」なんかがあります。パンダ同士の社交場にもなっているようで、飼育員さんの噂話も聞こえてきます。

 

あ、今どこからか「チャ!」という音が聞こえてきたような……。知らないフリ、知らないフリっと……。

ここでパンダの秘密を紹介すると、パンダ界の重い規約違反に該当しますので、秘密をどうしても知りたい方は、パンダ銭湯に極秘で潜入するか、絵本をこっそり読むかしてみて下さいね!

 

一切の希望を捨てて読んでみて!

「この門をくぐる者は一切の希望を捨てよ」これは、ダンテの『神曲』という本に出てくる銘文ですが、続いてご紹介したい絵本は、まさに「一切の希望を捨てて」読んで頂きたい絵本です。