食事中、子どもを叱ってしまったり、早く食べさせようとして流し込むように口に入れたり…そんな経験、ありませんか? 育ち盛りの子どものために「きちんと食べさせなければ」と、母はつい一生懸命になってしまいがちですよね。

でも、なんだかイヤ~なムードの食卓って、子どもにとっても良くなさそう…。

そこで「子どもにとって良い食事環境」とはどのようなものなのか、NPO法人食育研究会 Mogu Mogu代表理事であり、『子育てハッピーアドバイス 笑顔いっぱい食育の巻』の著者でもある、松成容子さんにお話をうかがいました。

加工食品・コンビニはNG?

さて、食事といえば、最近気がかりなのが、加工食品の安全性。主婦を対象にした最近のアンケート調査では、実に90%近くの人が「食品の安全性に不安を感じている」という結果が。
(出典:主婦と消費行動研究所

周りのママ友にも聞いてみたところ、「できるかぎり手作り」「国産を選ぶ」「冷凍食品は買わない」「ファストフードは避ける」、などの声もあり…。

「『ファストフードやコンビニはよくない』と思っている方が多いのですが、大抵はマスコミによってつくられたイメージで、根拠のないものが多いんですよ。
日本の食の安全性に関するレベルは高く、例えば食品添加物の問題にしても、大手メーカーほど敏感に対応していて、より安全性を高める努力をしています。そもそも、天然のものならば安全、というわけではないですよね。塩分も摂り過ぎると体にとっては有害ですから」

「ネットなどでも、『何がいい、悪い』といった情報で溢れていますが、そういった情報とはひとまず距離を置くことをおすすめします。何でもほどほどの食生活がいい、とよく言われますよね? 今までの食生活で健康に生きてこられた、という事実を、まずは信じてみてはいかがでしょうか」

さらに、コンビニに関しては次のようなお話も。
「以前、『子供をコンビニには行かせない』というお母さんがいたのですが、その方には、『社会勉強のために、少しは行かせた方がいいですよ』とアドバイスしたくらいです」

たしかに、コンビニやファストフードについて何も知らないまま大人になってしまったら、と考えると、やはり、ほどほどの食生活がよいのかな、という気がします。ただ、将来、加工食品に依存するようにならないでしょうか…?

「子どもがひとり暮らしを始めるようになると、一時的にそういった食生活に偏る場合があります。でも、食品の選び方を教えておけば、子どもも頭の中では『そればかりではいけない』とわかっていますから、それほど心配することはないと思いますよ」

偏りすぎることなく、何でもほどほどに。それぞれの食品について、良い面と悪い面を知り、ほどよいバランスの食生活を保てる大人になってほしいですね。