(左から)三木孝浩監督、能年玲奈、登坂広臣

女優の能年玲奈が31日に有楽町の丸の内ピカデリーで行われた主演作『ホットロード』の大ヒット御礼舞台あいさつに登壇した。主演が決まった際、原作ファンだという母親から「イメージが全然違うって言われた」そうで、「青春時代に読んでいた漫画を、自分の娘が演じるのがかなり衝撃みたいで(笑)。でも、映画館に何度も足を運んでくれて『すごく良かった』と言ってくれた。親バカですね」とはにかんだ。

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本作は、80年代に旋風を巻き起こした紡木たくの同名人気コミックを映画化したもの。家庭に居場所がない14歳の少女・和希(能年)は、夜の湘南で不良グループに属する洋志に出会い、反発しながらも次第に距離を縮めていく。配給の松竹によると、8月30日時点で興収15億円を突破しており、能年は「頑張って良かった! 観てくださる方がいて、初めて作品は存在するのでとても喜ばしいこと」と駆けつけたファンに感謝を述べた。

舞台あいさつには能年に加えて、洋志を演じる登坂広臣(三代目J Soul Brothers)、メガホンを執った三木孝浩監督(『僕等がいた』『陽だまりの彼女』)も登壇。今回が映画初出演となった登坂は「今回の経験で成長できたし、財産になった。またこうして舞台に立てるのも、ファンのみなさんのおかげ。ありがたいし、幸せなこと」とこちらも感謝の意。登坂の両親も本作を見たといい「親バカですけど、珍しくほめてくれた」と能年同様、親への思いを明かした。

三木監督は「ホッとしています」と映画のヒットに安どの表情を浮かべ、「原作を知らない今の子たちに伝えたい思いがあって映画化した。公開前は心配だったが、10代の観客が素直に共感してくれて、このタイミングで作って良かったと思う」。スクリーンを彩った能年&登坂について「演出というよりは、本来ふたりが内面に持っている良さを表現したかった」と話した。

『ホットロード』
公開中

取材・文・写真:内田 涼