<地域No.1店舗の売れる秘訣・レモン社銀座教会店>キーワードは「男の趣味」 フィルムカメラと鉄道模型が主力

2014.9.3 10:29配信

30年以上、東京・銀座に根づいて堅調に成長してきたレモン社銀座教会店は、「男の趣味」をキーワードに、フィルムカメラや鉄道模型、ブランド時計、万年筆などを販売。客層は40代以上の男性が中心で、平日・休日を問わず、多くのマニアで賑わっている。最近は、銀座を訪れる20代の若者を新しいお客様として獲得しつつある。(取材・文/佐相彰彦)

レモン社銀座教会店

店舗データ

住所 東京都中央区銀座4-2-1 銀座教会堂ビル8階

オープン日 1983年11月(創業)

売り場面積 約265m2

従業員数 9人

●舶来品で歴史のある銀座 高級輸入カメラ店としてオープン

明治時代に舶来品を扱う店が登場して、一気に西洋文化の街へと変貌した銀座。昭和時代には大手百貨店の出店が相次ぎ、洗練された大人の街として、日本の高級ショッピング街の代名詞になってきた。現在も、世界を代表する高級ブランドショップが建ち並ぶ街としてステータスを保っており、多くの人が訪れる。

家電量販店では、銀座の隣に位置するビックカメラ有楽町店が、JR有楽町駅前という立地を生かして、銀座への来訪者を吸引している。白物家電やデジタル機器の購入だけでなく、待ち合わせや仕事の合間に立ち寄る人も多く、秋葉原や新宿などの電気街に匹敵する客数を確保している。このビックカメラ有楽町店が圧倒的な存在感をもつ街で、オールドカメラファンが多く来店しているのが、中古カメラ販売などのレモン社銀座教会店だ。

レモン社は1983年11月に創業。舶来品の街ということで出店場所を銀座に決めて、ドイツ製の「Leica(ライカ)」を中心に高級カメラの販売に乗り出した。当時は銀座に複数の店舗を構えていたが、各店舗の売り場面積が小さかったこと、複数の店舗でビジネスを手がけるよりも統合したほうが効率がよいことなどから、2005年、今の銀座教会堂ビルに落ち着いた。その名の通り、日本基督教団銀座教会が入っているビルだ。

8階に入る店舗の売り場面積は約265m2。入社してから20年以上、銀座で業務に携わっているレモン社銀座教会店の運営責任者、三宅弘二氏は、「中古のフィルムカメラを扱う店舗としては売り場面積が大きく、品揃えはどの競合店にも負けない」と自信をみせている。

●常連とは30年のつき合い 増える20代の男性客

主力商品が中古のフィルムカメラであることから、来店者は「写真が趣味の方や高級カメラのコレクターが多い」と、三宅氏は説明する。40代以上が7割以上を占め、60~70代も多い。そのなかには、「創業当時からおつき合いいただいているお客様が多くいらっしゃる」(三宅氏)という。

そんな常連のコレクターからの要望によって扱うようになり、最近はフィルムカメラに次ぐ主力商品に成長しているのが、鉄道模型だ。三宅氏は、「鉄道模型を扱うようになって、これまで以上に“コアなファン”が増えたようだ」と、オールドカメラファンに加えて鉄道マニアが増えている状況を説明する。

鉄道マニアのなかには20代もいて、「若いお客様がフィルムカメラに興味を示して購入するケースも出てきている」という。20代の来店には、昨年オープンしたフォトスタジオも寄与している。「就職活動の証明写真撮影に利用している」(三宅氏)。もちろん、常連が銀婚式などの思い出に撮影を依頼することもある。

時計や万年筆なども人気だ。「時計は幅広い年齢の方々が購入している。万年筆は、女性が購入してくださるケースもある」と、多くの客層を獲得する商材であることをアピールする。

新品と中古の両方を扱うレモン社銀座教会店のビジネスモデルの一つが、中古品の委託販売だ。スタッフが目利きして値段をつけ、売れたら店舗が手数料を受け取る。この方式によって、品揃えが充実しているのだ。

三宅氏は、「押し入れや机に眠っているものが、もしかすると値段がつくかもしれないということで、常に委託の案件がある」という。委託者にとっては、レモン社という中古カメラの殿堂で正当な価格で売ることができる。これが、商品の充実につながっているのだ。

課題は常連客の高齢化。そこで、最近は新品のデジタル一眼やミラーレス一眼の品揃えを充実させている。三宅氏は、「デジタルカメラも扱っていることをアピールして、若い方の来店を促していく。若いお客様にも『男の趣味』をテーマとした店舗として根づかせたい」と意欲的だ。

価格については、「現金値引きでお客様と交渉している」という。ポイント制を採用していないので、ときにはかなり安い価格を設定して、周辺の競合店に対抗しているようだ。こうした取り組みによって、常連のファンを引きつけながら新規客の獲得に力を入れることで、業績は前年を上回る成長を続けている。

●運営責任者が語る人気の理由――三宅弘二 運営責任者

入社からこれまで銀座教会店で勤務し、多くの常連客を獲得してきた。「頻繁に足を運んでくださる方と、カメラの知識を競い合うようにコミュニケーションを取る」のが日課。10人ほどのスタッフは、全員が委託販売のプロだ。「カメラや鉄道模型など、得意分野は異なるが、すべてのお客様と楽しく会話を交わしながら接客している」という。

常連客の高齢化による若い世代の獲得は、単にレモン社銀座教会店の業績を維持することが目的ではない。「舶来品の街である銀座のイメージを、次の世代にも残していきたい」。商品に精通した人材と歴史へのこだわりが、レモン社銀座教会店の強みだ。

※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2014年8月25日付 vol.1543より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは

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