ピクサーの歴史:ルーカスフィルム社から買収したCG部門がピクサー

ピクサー・アニメーション・スタジオは、コンピュータグラフィックス(CG)を使用したアニメーション制作を得意とするアメリカの制作会社です。

代表作は「トイ・ストーリー」「バグズ・ライフ」「ファインディング・ニモ」などがあり、2013年夏に公開された「モンスターズ・ユニバーシティ」もピクサー作品です。

竹内一正著『ハングリーであれ、愚かであれ。―スティーブ・ジョブズ最強脳は不合理に働く』によると、ピクサー社は最初からアニメーションを制作するために創業されたわけではありません。

ピクサーの前身となる部門は、映画「スターウォーズ」で知られる監督ジョージ・ルーカスが設立したルーカス・フィルム社が設立しました。

創設当初のピクサーは、国家機関を取引先として、高速で3D画像を処理できるコンピュータグラフィックス制作用のコンピュータ(ピクサー・イメージ・コンピュータ = PIC)を開発していました。

ピクサーが開発した高度なコンピュータグラフィックス技術を、“映画” ではなく ”コンピュータ” で活かそうと考えたスティーブ・ジョブズは、ルーカスフィルム社からこの会社を買収することに決めました。買収額は1000万ドルと言われています。

 

PICの販売不振によりアニメーション制作に注力

ピクサーには多くの優秀なスタッフがいました。例えば、後にピクサーのCEOになるエド・キャットムル、CG技術にめっぽう強いアルヴィ・レイ・スミス、「トイ・ストーリー」の監督を務めるジョン・ラセターなどです。

しかし、ジョブズが期待したピクサー・イメージ・コンピュータ(PIC)の販売は思ったほど伸びませんでした。12万ドルを超える価格で販売されたPICは、資金力のある大学や研究機関しか手が出せませんでした。

アニメーション制作の方はPICの性能を伝えるためだけに、短編アニメーションしか制作していなかったのです。

アニメーション部門はピクサーにとって重要な部署ではない補助的な存在だったのです。後にアカデミー賞を受賞するジョン・ラセターでさえいつクビになるか分からない状況でした。

PICは販売不振で赤字が続いたので、1990年にヴァイコム社にハード部門を売却してアニメーション制作に絞ることに決めました。

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