増田セバスチャン監督とキティちゃん

1979年に劇場公開されたサンリオ製作のコマ撮り人形アニメーションに、新たな命を吹き込んだミュージカル・ファンタジー『くるみ割り人形』の完成披露試写会が4日に都内で行われた。10月に開催される第27回東京国際映画祭の特別招待作品として、ワールドプレミア上映されることも決定したばかりで、会場に駆けつけた映画仕様のキティちゃんも大喜びしていた。

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中村武雄監督によるオリジナル版のネガフィルムを使用し、全編にCG処理を施したほか、新撮シーンも追加した“リ・クリエイト”バージョン。製作当時のアナログな感性が、最先端のデジタル技術によってよみがえる本作は、大切にしていたくるみ割り人形をネズミの大群にさらわれてしまった主人公・クララが、人形とネズミの戦争に舞いこまれる姿を描いている。

完成披露試写会にはサンリオ代表取締役社長の辻信太郎氏をはじめ、監督デビューを飾ったアートディレクターの増田セバスチャンが出席。本作の生みの親でもある辻社長は「公開されたのがちょうど35年前。本当にすばらしい出来で、特に3Dには驚かされた。『アナと雪の女王』が日本でヒットしたように、この映画がアメリカでも成功するよう応援をお願いしたい。日本の文化と技術をもっと輸出したい」と海外展開を視野に抱負を語った。

国際的に活躍するアートディレクターで、きゃりーぱみゅぱみゅの美術演出も手掛ける増田にとって、オリジナル版は「小学2年生のときに見て、強烈な思い出が残っている」作品だといい、「大変なプレッシャーで眠れない日が続いたが、先人のクリエーションを未来の子どもたちに伝えるため、僕にできることを最大限やろうと思った。魂をこめ、ワンカットワンカット勝負した」と誇らしげだった。

『くるみ割り人形』
11月29日(土)全国ロードショー(3D/2D同時公開)

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