COMPUTEX TAIPEI 2018」で発表されたASUSの「ROG Phone」

6月5日~9日に台湾・台北で開催されたコンピュータ関連の国際見本市「COMPUTEX TAIPEI 2018」で、展示エリア・注目度ともに高かったのが、ゲーミングだ。カラフルなライトが点灯するゲーミングPCやキーボード、マウスといった製品を会場のそこかしこで目にしたのが印象的だった。そんななか、タッチ&トライに人だかりができるほどの人気を博していたのが、ASUSのゲーミングスマートフォン(スマホ)「ROG Phone」だ。

「ROG Phone」は、ASUSのゲーミングブランド「ROG」から発売される初のスマホ。RAMは8GB、SoCはSnapdragon 845と高い処理性能を搭載しているのはもちろん、6.0インチの有機ELディスプレイ(FHD+)もゲームでハイパフォーマンスを発揮できるようにチューニング。リフレッシュレートは90Hz、応答速度は1msを実現している。

携帯ゲーム機でよくみかける本体の隅に配置されたL・Rボタンをセンサによって再現しているのもユニークだ。見た目にはわからないが、画面を横向きにして指を添え、力をこめると設定された通りに動作する。

本体の充電端子はUSB Type-Cで下部にポートが備わっているが、実は本体側面にもポートがあり、そちらから給電することも可能。これによって充電しながらでも、画面を横向きにした状態でスマホを操作できるようになっている。まさにゲーマーに目線を合わせているからの配慮といえる。

背面には冷却用の放熱スリットを搭載。熱に対する配慮がいかにもゲーミングスマホらしいが、熱対策はこれだけにとどまらない。アクセサリとして外付けの冷却ユニット「AeroActive Cooler」を用意。装着することで、より広範のエリアを強力に冷やし、高性能プロセッサの性能を十二分に引き出すことができるようになる。

ゲームのためのアクセサリはほかにもある。「Mobile Desktop Dock」はスマホを液晶ディスプレイ、キーボード、マウスなどに連携させる拡張機器。端子を豊富に用意しており、普段はPCで使用しているデバイスをスマホゲームでも活用できる。

ボタンやアナログスティックでゲームをコントロールできる「Gamevice for ROG Phone」や2画面に拡張することができる「TwinView Dock」は、装着するとさながら携帯ゲーム機の「PS Vita」や「3DS」のようだ。「TwinView Dock」は6000mAhのバッテリまで備わっており、長時間のゲームプレイにも貢献する。

本体・アクセサリを含めて価格は未発表だが、現在の人気PCゲームはモバイル版が相次いでリリースされており、ゲーミングスマホのニーズは今後高まることが予想される。変化が乏しくなってきているPC市場で、ゲーミングPCが救世主として期待を集めているように、スマホの世界でもゲーミングスマホがもたらす影響は単なる飛び道具では終わらないかもしれない。少なくとも「ROG Phone」はその可能性の一端をみせたといえそうだ。(BCN・大蔵 大輔)