武藤嘉紀(FC東京) (c)J.LEAGUE PHOTOS 武藤嘉紀(FC東京) (c)J.LEAGUE PHOTOS

9月9日、ベネズエラ戦を2-2で終えたアギーレ監督は収穫を口にした。

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「新しい選手がいいプレーをし、結果を残した。一番の収穫は新しい血が注入されたこと。これは日本代表に未来があることを意味する」

日本代表の未来を切り開いたのが、スピードに乗ったドリブルから先制点を決めた武藤嘉紀であり、高いシュート技術で2点目のボレーシュートを放った柴崎岳である。

この『キリンチャレンジカップ2014』で代表デビューを飾ったふたりは、「ドリブルや緩急をつけて相手を抜くことは通用すると思った」(武藤)、「数多くボールに触ってチャンスも作れた。ある程度は自分のプレーを表現できた」(柴崎)と手応えを掴んでいた。

もちろん、課題も忘れない。武藤が「2点目を取りに行かないといけない」と語れば、柴崎も「まだまだパスミスが多い」とキッパリ。

ふたりだけではない。アギーレ監督はウルグアイ戦を含めて「選手全員に満足している」と語った。ただ、厳しい目も併せ持つ。代表にふさわしい選手か否かについて質問を受けると、「次の代表発表で誰が合格で誰が不合格かわかるだろう」と答えた。ベネズエラ戦でも、決定機を外した柿谷曜一朗、運動量の少なかった大迫勇也は、前半45分で交代を命じられた。

これはJリーグで戦う選手たちにとって歓迎すべき点だろう。アギーレ監督はスタッフを含め、精力的にJリーグの視察を繰り返している。事実、今回の代表メンバーも11名の国内組が名を連ねた。さらにアギーレは、監督就任記者会見の席で「国内外のすべての選手に代表の扉は開かれている」と宣言している。

日本代表でプレーする喜びと責任を胸に武藤はFC東京でさらにドリブルと決定力を磨き、柴崎は鹿島アントラーズでゲームをコントロールする術を高めようとするはずだ。アギーレ監督の初陣で決定機を決められなかったFW・皆川佑介(サンフレッチェ広島)も、ウルグアイ戦で失点に繋がるミスをしたDF・坂井達弥(サガン鳥栖)も、クラブへ戻って課題克服に励むことだろう。

今回召集されなかった選手たちは、なおさらだ。宇佐美貴史(ガンバ大阪)や小林悠(川崎フロンターレ)、工藤壮人(柏レイソル)は、さらにゴールを量産しアピールしたい。MF・米本拓司(F東京)やDF・昌子源(鹿島)も持ち前のボール奪取能力を発揮したいところ。9月13日(土)にキックオフを控えるJ1リーグ第23節で、日本代表、次のサムライブルーたちをチェックしてみては。