Androidスマートフォンの2018年1月~5月のメーカー別販売台数シェア

ボーナス商戦に合わせ、各社からAndroidスマートフォンの2018年夏モデルが登場している。カメラ機能の進化やAIなど、注目ポイントが目白押しの新モデルが揃い、どの機種を購入するか悩んでいる人も多いだろう。SIMフリースマホ市場をけん引してきた、ファーウェイは6月15日に一挙3製品を発売。一方、ASUSは従来同様、五月雨式にリリース。第1回同様、家電量販店の実売データを集計する「BCNランキング」をもとに、前シーズンのトレンドも交え、今後の売れ行きを占った。


・第1回から読む

https://www.bcnretail.com/market/detail/20180616_64548.html

 

本格的にキャリア進出を果たしたSIMフリーNo.1のファーウェイ

今夏、販売戦略を大きく転換しているのが、これまでSIMフリーを主戦場としてきたファーウェイだ。1月に発売した「HUAWEI nova 2」はau/UQ mobileのみ。5月には、SIMフリーで展開していた「HUAWEI Mate 10 Pro」がソフトバンクからも登場した。

さらに、6月15日に発売になったHUAWEI Pシリーズの最上位機種「HUAWEI P20 Pro」は、国内ではドコモ独占販売となり、FeliCaに対応するなど、日本ユーザー向けに作り込んだ仕様。また「HUAWEI P20 lite」は、auのみストレージがSIMフリー版の2倍の64GBとなっている。こうして今夏、本格的にキャリア進出を果たし、さらなるシェア拡大が予想される。

最新のラインアップをみても死角らしい死角は見当たらない。18年1~5月のAndroidスマホのシリーズ別販売台数ランキングでNo.1に輝いた「HUAWEI P10 lite」の後継機種となる「HUAWEI P20 lite」は、この夏のNo.1候補といっても過言ではないだろう。ミドルクラスながら、デュアルレンズを搭載しており、コストパフォーマンスが高いと判断されそうだ。

「HUAWEI P20」と「HUAWEI P20 Pro」は値は張るものの、AIプロセッサやLeicaレンズを搭載するなど、カメラ性能を突き詰めており、ミドルクラスとの差別化がうまく図られている。iPhoneの独壇場となっている日本市場を変えるのでは、といわれてきたが、いよいよ真実味を帯びてきた。

高コスパの「ZenFone 5」で巻き返しを図るASUS

シェアの巻き返しを図りたいASUSは、まずは「ZenFone 5」シリーズから「5」「5Q」「5Z」の3機種をリリース。いずれもSIMフリーで、多くのMVNOが取り扱っている。

フロントカメラをノッチ化したフルビューディスプレイやAIプロセッサ、デュアルレンズなどトレンドを押さえ、「4」から大幅なアップデートを遂げているが、注目すべきは価格だ。

他社のハイエンドモデルに迫るスペックながら、メインの「5」で5万円前後と、値ごろ感は高い。機能と価格を天びんにかけて吟味するユーザーなら、選択肢にあがる可能性は高そうだ。残念なのは、カラーのバリエーションが少ないこと。「5」は2色、「5Q」は3色、「5Z」は2色で、特にデザインを重視する人からすると物足りなさを感じるかもしれない。

次回は、2017年、AndroidスマホでNo.1を獲得するなど、ブランド統一後、勢いに乗るシャープを取り上げる。(BCN・大蔵 大輔)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。