シーザーを演じたアンディ・サーキス

映画『猿の惑星:新世紀(ライジング)』が9月19日(金)から公開になる。本作は独自の進化を遂げ、人間に反旗を翻した猿シーザーが主人公の作品で、前作に続いて名優アンディ・サーキスがシーザーを演じている。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのゴラムや『キングコング』のコングなど数々の人気キャラクターに生命を吹き込んできた名優は、シーザーをどう演じたのか? 本人に話を聞いた。

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前作では人間に育てられていたシーザーが、仲間の猿たちを率いて人間から独立するまでが描かれたが、新作では10年後を舞台に、彼が人間と共存するべきか、再び戦うべきか揺れ動く様を描いている。「今回、私が伝えようとしたのは、シーザーが非常にプレッシャーを抱えているリーダーである、ということでした。シーザーはみんなが平等に暮らせる社会にしたいと思っているし、みんなの意見も尊重する、そういうリーダーです。人間との対立が始まって、だんだん物事が困難になっていきますが、シーザーは人間に育てられた過去がありますし、自分は部分的には人間である、という意識もあります。ですから、できるだけ平和的な解決策を彼は望んでいるし、模索します。良い人間もいるということも充分わかっています。シーザーの存在は“この世界には正しい道/間違った道というものはない”ということを象徴しています」。

猿には猿の、人間には人間の正義があり、時にそれは衝突する。また、それぞれ考え方の違う者が集まっており、ちょっとしたボタンの掛け違いによって悲劇がもたらされることもある。「シーザーは、一番初めはかなり自信を持っているリーダーですが、徐々に自分に自信がなくなってくる。彼の欠点は、自分たち猿の方が人間より良い社会を作れると思っていますが、実は猿の中にも人間と同じように、悪い方向に行ってしまう猿がいるということに気づかないでいる部分があるところです」。

本シリーズは“進化した猿”という設定を用いて、複雑化し、衝突をやめることができない人間社会を描いてきた。本作でもサーキスは「シーザーは“猿のカタチをした人間”であり、“人間すべて”を象徴している」と分析する。戦いか? それとも共存か? 緊迫する状況で迷い、苦悩するシーザーの姿は、様々な価値や主張が衝突する現代に生きる人間の姿そのものだ。「シーザーのジレンマは、家族の一員として、社会の一員として責任を持っている人であれば誰しもが抱えているものだと思います」

『猿の惑星:新世紀(ライジング)』
9月19日(金)全国ロードショー
※9月13(土)、14(日)、15(祝・月)先行上映(一部劇場除く)