早期発見のポイントは、トイレ周りの観察にアリ

まず、猫の「下部尿路疾患」の代表格・尿道結石の兆候となる行動には、次のようなものがあります。手元にあった参考書籍から引用しますと…

・血尿や陰部に血のようなものが付着している
・いつもより長い時間、トイレで排尿姿勢を取り続けている
・頻繁にトイレに出入りしたり、排尿姿勢を取る
・排尿時に声を出して鳴く
・陰部をいつまでもなめたり、噛んで傷つけてしまう
(財団法人 動物臨床医学研究所編『イヌ・ネコ 家庭動物の医学大百科』、ピエ・ブックス(2006年)、「ネコの特発性下部尿路疾患」の項を参考に作成)

 

トイレを観察されている三毛猫記者。普段を見ておかないと、異変に気づけません
拡大画像表示
 

このような変調から「下部尿路疾患かな?」と気づくには、普段から観察しておく必要もあります。

いつもと比べて、猫のトイレ回数が多いか少ないかが分からなければ、気づきようもありません。トイレシーツをこまめに変えるようにして、その都度オシッコの量を見ておければベストですが、毎日見続けるのが難しいようならば、無料の動体検知カメラアプリを入れたスマホをトイレ付近に設置して、トイレに猫が入ったら、メールで画像を送るといった方法もあります。これなら時間も頻度も記録に残せます(暗視カメラにはならないため、多少の明かりをつけておく必要はあります)。

 


ちなみに、人間の尿道結石の概説はサイエンスチャンネルにある「尿路結石症 原因と治療」の動画が参考になります。冒頭でインタビュアーが語るように「激痛が走るイメージ」が広く知られていますが、実際に罹患した人の言葉はこちらの動画の4:07から。「動けないんだけど、じっとしていられない」という表現が生々しいことこの上ありません。

人間と猫と、痛みの感じ方が同じとは限りませんが、もし猫がこのような痛みを感じたとしても、「ウー」とか「ニャー」とか「ギニァァ!」としか言えませんので、早く察してあげるのに越したことはありません。

さて、その下部尿路結石の原因は何なのでしょうか。