はい、最初から全部場当たりします。劇場によって声の聞こえ方も違うんです。

東京のACTシアターでのサンディーに慣れていたけど、名古屋では、劇場の声の響き方が違うんです。ACTシアターよりも、発声をシッカリ、ハッキリしないと、声が流れちゃう感じというか。

意識してなかったけど、自分でスゴくがんばっちゃってたみたいで…(汗)。翌日、声がすごくガラガラで。。 劇場が変わって、緊張もしちゃってるから、本当に初日に戻ったみたいでした。

名古屋公演でもらった手紙のなかに、「佐江ちゃんの声がすっごく聞こえてる」って、書いてあって(汗)

一幕の終わりに、4人で歌うシーンがあるんです。声のボリュームは、それまでと変えてなかったんだけどな…。東京公演と劇場が変わったので、違いをすごく感じたのかなと思います。

ーー地方公演では、劇場が変わるだけじゃなく、セットなども含めて変わるのですか?

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そうです、そうです! 演者の立ち位置の番号も変わるんです。それに、舞台の幅や奥行きも変わるから、上から降ろすセットはこの会場では使えない、とかもあります。

それによって演者も、それまで台詞のこのタイミングで前へ出たけど、この会場は奥行きがあるから、違うタイミングで出ていかなきゃいけない、とか。新しく調整していくんです。

ーー短期間でそれらを調整するのは、なかなか厳しそうですね。

そうですね。そういうことを五朗さんと寺さんは、早く劇場に入って、舞台監督さんやスタッフさんと、前もって話し合っているんです。

でもそれは、地球ゴージャスだけじゃなくて、地方公演のある作品なら必ずあること。『ピーターパン』や『TOKYO TRIBE』のときもありました。

今回の『ZEROTOPIA』では、サンディー役はWキャストだから、限られた時間内で、ふたり分の調整をすることになるんです。

でも、私は、番号系は強い! そこは、アイドル時代の10年間に、本当に感謝したいと思います。48グループにいてよかった(笑)

「このときの照明は、舞台のここを射すから、この番号の位置にいなきゃいけない」とか、番号を記憶するのはすごく早いから。

ーー『王家の紋章』のときに、どんな変更があっても臨機応変に対応できる、という話をしましたね。(第3回・前編)(第5回)

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