梅崎司(浦和レッズ) (c)J.LEAGUE PHOTOS 梅崎司(浦和レッズ) (c)J.LEAGUE PHOTOS

3試合連続4ゴールと2位・川崎フロンターレに勝点4差をつけ、首位を快走する浦和レッズにとって、次節は終盤を占う一戦と言えよう。対戦相手は柏レイソルだ。リーグ戦8位に位置し、直接対決でも17勝6分12敗とリードしているが、浦和にとって柏は厄介な相手である。

昨年の屈辱は忘れない。リーグ戦では6-2、2-1と連勝したが、2-1で勝利したホームゲームの1週間後の『ナビスコカップ』決勝という大一番で柏の前に0-1と屈した。主将・大谷秀和をはじめ、主力5人を欠いた柏を一方的に攻め立てながら、前半唯一の決定機をFW・工藤壮人に決められ、準優勝に甘んじたのだった。

2012年からリーグ戦で対柏は4連勝中だった浦和だが、この『ナビスコ杯』決勝を経て、潮目が変わった。

今季の『ナビスコ杯』予選リーグ第1節、柏は浦和と同様の3-4-2-1のシステムでミラーゲームにし、梅崎司に先制を許しながら、PKとコーナーキック、ふたつのセットプレーを決め、公式戦4戦目にして初勝利を手にした。

1か月後のJ1リーグ戦第9節でも、先制点は浦和が決めた。その後、2-2となり、誰もが引き分けと思ったアディショナルタイムにドラマが起こった。キム・チャンスのクロスのこぼれ球を田中順也が決め、そのまま試合終了となった。

結果は3連敗だが、ペトロヴィッチ監督はそれぞれの試合後「負けはしたが堂々とした戦いだった」「敗戦したが、ピッチ上では我々の方がベターなチームだと思う」「微妙な判定もあり、我々にちょっと運がなかったと思う」などと、ポジティブなセリフを口にした。

内容がいいからよしと見るか、いい内容ながら勝てないと見るかによって、この浦和×柏は見え方が変わってくる。ただ、今季の浦和はタイトルを狙っている。昨季と異なりGK・西川周作が強固な守備の原動力となっている。その守護神は優勝への鍵を「相手が研究してくる8・9月はいかに負けない戦い方をしていくかが大事」と口にしている。

一方の柏は、確かな自信と緊張感を持って、アウェイに乗り込んでくるだろう。今季限りでの勇退を発表したネルシーニョ監督が指揮するチームは、浦和がどんなにボールを保持しようが、シュートを放とうが、我慢強く、規律された守備でゴールを守り切る。守備だけではない。レアンドロの出場は微妙だが、工藤、高山薫らアタッカー陣も、決定機を決めるべく高い集中力を持続する。

ここ3試合でFW・興梠慎三、李忠成、MF・梅崎、DF・森脇良太が各2ゴールとどこからでも点が取れる浦和が勢いのまま柏を飲み込むのか、過去3試合と同様に、試合内容にかかわらず柏がキッチリ勝利を手にするのか。勝点47の1位・浦和、勝点35の8位・柏、両軍にとって今後の試金石となる90分間である。浦和レッズ×柏レイソルは9月20日(土)・埼玉スタジアム2002でキックオフ。チケット発売中。